国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   忘れかけている知恵や知識   ライナ・リュート

 すべての人びとの心に、火の思い出にまつわるさまざまな感情を呼び起こしたものだったが、そんな火との対話さえ、最近では次第に忘れられていく。それに代わって、家庭の中には、電気釜や電子レンジが現れ、石油ストーブやセントラルヒーティングが普及し、かつてのランプの焔のまわりに広がっていた闇のしじまは消え失せて、いたるところに真昼のような人工照明の空間が出現してしまったのである。もともと火に備わっていた熱や光の属性を、それぞれ目的別、機能別に解体し、無数の人工的な火の代替物をつくり出してしまったのである。かつての原初の火は、個人のレベルで向き合って対処することができたが、このように社会化されてしまった現在の火は、時に個人の知らぬところで暴発する。僕は、便利なことに流されず、生きるための知恵や知識を見失わないようにしたい。
 そのための第一の方法は、便利な物ばかりに頼らず、自分の手足で実感してみることである。僕が通っていた小学校では、六年間のうち、一度だけ野外活動を体験する「デイキャンプ」という物が存在した。(体験)三、四年ほど前のことなので正確には覚えていないが、だいたいの記憶はある。名の通り、お昼だけキャンプを行った。各クラス、班ごとに別れて昼飯を作るのが、メインだった。全班、作る物は決まっていて、これまたおきまりのカレーである。(笑)一見、簡単そうに思えるがそうではなかった。火をおこすのに時間がかかるかかる。今や、僕たちが火を使うと言えば、ガスコンロでスイッチや取っ手を回すだけで火がつく。はたまた、火ではなくて電気でも可能だ。しかし、野外ではそういうわけにはいかない。この時代は、さすがに石をこすり合わせて火をつけなくても、マッチという便利な物があるので、それで火をおこす。しかし、思ったように薪には燃え移らず、これにものすごく時間がかかる。中学校一年生の時にも、学校からの体験学習で、このようなことを行った。そのときも、なかなか火をつけることはできなかった。さらに、その日は運が悪く、雨が降っていて大変だったということを今もしっかりと覚えている。
 第二の方法に、学校でも手足を使った体験を増やすことだ。ゆとり教育のおかげで、公立の学校は完全週休二日制になってしまった。土日に、家庭で体験をしなさいという意味があるのだろう。しかし、現実そんなわけにはいかない。親には、そんなことをしている暇もないし、正直金銭的な余裕もない。それならば、土曜日も学校を行い、土曜日は「ボランティアをする日」にするとか、ゆとり教育よりもっとすばらしいことが可能だと思う。
 確かに、一度我々にしみつき、手放せない物ばかりになっている。しかし、絶対に生きるための知恵や知識を失ってはいけない。万が一、ガスが使えなくなったときに、マッチを使って薪に火をつけられる技術のある人の方が有利である。「明日の朝が仕事を完成させて持ってきてくれるわけではない」という名言があるが、機会などに任せていて、機械が使えなくなったとき、技術が突然手に入るわけではない。だからこそ、生きるための知識や知恵を見失わないようにしたい。

   講評   hota

 いよいよ、部活も終わり、入試に向かって全力投球できる季節になりましたね。いろいろな想いはあるでしょうが、とりあえず、ここはがむしゃらに前を向いて走りましょう。で、例年にも増して暑いこの8月の第1週課題でしたが、なんと新森リンで86点をマークしています!(8月8日現在)まだほかの人との関連で多少は変動があるかもしれませんが、1300字にも及ぶこの長さで、この点数は、とてもいいですね。各語彙のバランスがよかったことが、高得点に結び付いているようです。
 ちなみに、中3生のベスト5で、ライナくんと同じ86点で同点2位を獲得している(8月8日現在)プーくんも、私の生徒さんです(自慢)。優秀な生徒さんを担当できて、私も嬉しいです。
 今回の作文について。要約はOKです。第一の方法の体験実例、第二の方法の社会実例もいいでしょう。土曜日の「ボランティアの日」には、私も大賛成です。ライナくん、将来政治家になって、教育改革をしてくれませんか?
 最後の段落、「反対意見への理解」は「確かに、一度我々にしみつき、手放せない物ばかりになっている。」とありましたが、主語が抜けているね。「確かに、【現代の道具類は、】我々【の生活】にしみつき、手放せない物ばかりになっている。」としておくといいでしょうか。あとは、全体によくできていました!
 次は、「休み宿題」です。ヒントを見て、書いてみましょう!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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