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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   鍛冶をしましょう   高峰

 明治時代。鎖国で開いた欧米諸国との差を、一気に取り戻そうとし、数々の文明が日本国へ伝わった。と同時に、先進国を模倣することが重要視され、その結果苦手分野を克服する教育が推し進められることとなった。そのような教育スタイルは、私達の親の世代まで続いた。バブルの崩壊後、低迷している経済状況を抜け出すためには、強力な指導者が必要である。そのためには、教育を変えるしかない。明治時代以降続いてきた、苦手分野を克服する教育ではなく、得意分野を伸ばす教育を推し進めるべきである。
 そのための第一の方法は、自分の得意なことをアピールすることである。日本人である私達は、基本的に謙虚であるという国民性を持つ。悪く言えば、主張するのが苦手でなのである。しかし、これでは教育者が被教育者の得意分野を知ることができないので、無意味だ。米国人のように、もっとアピールをしなくてはいけない。例えば小学一年生の時の私の字は、綺麗だった(あくまでも過去形)。それを先生にアピールしたところ、硬筆のコンクールに出品するよう言われた。アピールがきっかけとなり、大きな舞台に羽ばたくことがある。大きな舞台を経験して、更に成長を遂げる場合もある。しかし、私の場合は、そんなに上手くいかなかった。出品しようとした私の作品には誤字があった。消しゴムは使えない。書き直すのもなんだからという先生の判断で、最終的に出品されたのは私の友人の作品なのだ。現在も進化の真っ最中にある私の「得意」は、「おっちょこちょい」なのかもしれない。ところで、これをアピールしてしまったことにより、私のおっちょこちょいが更に進化を遂げそうなのが恐怖だ(笑)。
 第二の方法は、苦手分野の克服にはある程度目をつぶってしまうことだ。現在、入試制度が変化してきている。自己推薦制度を採用する学校が増加しているのだ。自己推薦の時に必要なのは、一つの強力な武器なのである。例えば、外国語をどれくらい話せるか?という質問を面接官にされた場合、「英語にフランス語にスペイン語にポルトガル語、ドイツ語や中国語・・・。えーと他にはスワヒリ語などが話せます。『これはペンです』くらいの簡単な言葉なら。」と答える人よりも「フランス語や中国語は全然わからないのですが、英語は大の得意です。日常会話は勿論、トリプトファン・シンセターゼA蛋白質の科学名など、専門的な英単語も知っています。」と答える人の方が、学校としても魅力を感じるだろう。オールマイティに色々なことが出来る前者よりも、一つ優れたものを持っている後者が、現在の社会では求められている。苦手分野には多少目をつぶって、専門的な知識を兼ね備えた人の育成が必要だ。
 確かに、自分の弱い部分を強化して、様々なことができる人間を目指すことも必要だ。必要最低限のことができていなければ、この社会で生きていくことは不可能なのだから。しかし、今後社会を生きていく上で大切なのは、苦手を克服し、隙間を埋めて盾を作ることでは無く、得意を更に伸ばして鋭利な武器を作ることなのである。つまり、鍛冶をしなさいと。人間の数だけの、多種多様な武器が出来上がると思う。それはそれで非常に面白いことである。私は、得意なことに自信を持って、それを更に伸ばして自分だけの武器とし、未来を切り拓いて行きたいと思う。

   講評   jun

 一見して密度の濃い文章だとわかるね。90点という得点は納得できます。(ちなみに、先生は先日、森川林先生と競い合い、119点を出しました。でも、ただ高得点を狙っただけなのでかなり無理のある文章です。よい子はまねをしないでね。(笑))
 受験勉強などでは、得意分野よりも不得意分野に目を向けてしまいがちですが、得意分野を伸ばす教育の方が先行きが明るいはずです。第一の方法には、意外な体験実例を挙げることができました。「おっちょこちょい」という普通だったらマイナスにとらえてしまいそうな性格を前面に押し出し、アピールしているところに好感が持てます。(笑)それにしても、これは忘れられない体験ですね。第二の方法に書かれている「オールマイティに色々なことが出来る前者よりも、一つ優れたものを持っている後者が、現在の社会では求められている。」という部分はそのとおりですね。
 反対意見に対する理解もしっかり書けています。その後に続く名言もお見事。「隙間を埋めて盾を作る」という表現がいいね。題名の意味がここに来て初めて分かるというわけですね。高峰君も、「おっちょこちょい」という武器を生かして(?)未来に挑戦しよう。
                              

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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