国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分らしさ   カノン


最近のいじめは上下間内に起こるのではなく、同一の学年に集中してきている。その大元となる理由は子どもの大半が一人っ子で世代間関係の付き合い方がわかっていないことにあるようだ。強者が弱者を守ったり、年長者が年少者を指導したりするのは当然の行為である。しかしそういったタイプの経験をしていないがために、道徳的な知識もないまま友達と付き合うことになり、しまいにはいじめという卑劣な行為に走るのである。世間一般ではいじめをなくす対策として、全ての事柄において競争をなくそうとしているようだが、これでは逆効果だと私は思う。競争というのは他者危害ではなく、自分の優越感を満たすもの、また個人を発揮することだと思う。私は、これからの社会からいじめをなくすには自由競争を促進すべきだと考える。
その方法として第一にあげられるのは、人と人とが裸でぶつかり合う場をつくることだと思う。前に挙げた子どもたちの一人っ子も関係しているのだろうが、今の親は昔に比べ過保護のように思える。活発な男の子がちょっと喧嘩でかすり傷をつくって家に戻ったら、母親がとんできて『僕ちゃんどうしたの、ママに話して御覧なさい』と言って、訳を聞いた母親は血相を変えて、喧嘩をした相手の家に怒鳴り込みに行く・・・。なんていうのはテレビを見すぎた私の想像に過ぎないのだろうか。ともかく、子どもたちの間で起きた問題に親が口を挟むという行為も子どもたちの関係に亀裂を走らせ、いじめにつながる可能性もあることを忘れてはならない。
また、これもテレビの話になってしまうのだが、『3年B組 金八先生』について考えてみたい。あのテレビに影響された人は数知れないし私もその一人だが、あんなに真正面にぶつかってきてくれる先生の下であったら、生徒たちはまさに『人の間と書いて、初めて人間になる』と言葉の意味とともに真の人間関係を学べると思う。最近は生徒を恐れて本気で怒る先生も減ったそうだ。教育者がそういう考えを持ち続けているならば、日本が変わる余地もないと思う。
第二の方法としては、人はみな平等と一言にいうのではなく、競争を認め勝利の喜びを知ることだと思う。最近の運動会では花形だった騎馬戦がなくなったり、徒競走で順位をつけずなかったりといった事態が起こっているようだ。私はこのことを聞いたとき、その意図が全くわからなかった。こういう言い方はよくないかもしれないが、勉強の方はどうもという子が運動会ではみんなのヒーローだったといったケースは沢山あったと思う。ではそういった子たちはどう思うだろうか。徒競走をやって一人が一位で一人がビリだったら、それはやはり同じではなく、一位と五位なのである。それを同じにしようとするほうが間違っている。人にはそれぞれ得意なものと不得意なものがある。それは当然のことで、自分の良いところを伸ばし、足りないところを他の誰かに補ってもらうというのは人間社会を生きる上で必要不可欠なことである。一つでも自分の得意なものがあり、それを周囲の人に認めてもらえたならば、私たちは満足できるのだと思う。
確かに、いじめと言っても様々な原因から生じるものなので、一概には指摘できないのが正直な意見である。また複雑な人間社会を生きるには協調性が必要であり、『人類みな平等』がキーワードとなる場合もあるだろう。しかし、例え世界が真っ黒な波に飲み込まれようとしても、私たちは自分たちの色をしっかり持って黒く染まらずにいたい、と私が思うように、どんなことがあっても自分らしさを失わってはいけないと強く思った。

   講評   jun

 期末テストは無事に終わったかな? テストが終わったばかり、しかも中国行きを控えているのにじっくり取り組んで、大作を仕上げることができました。90点とは立派。
 第一段落は、長文の内容をまとめながら自分の意見にうまくつなげたところがいいですよ。競争して順位をつけることを極力避けようとする学校が増えているのは事実ですね。確かにみんな横並びで仲良くするのも大事なことですが、それだけで済むわけはありません。ときには競うことも、個性を発揮することも、その個性を認め合い、尊重し合うことも大切です。
 一つ目の方法には、現代の子育てについての問題を提起することができましたが、カノンさんは決してテレビの見すぎというわけではないと思いますよ。(笑)生徒を恐れて本気で生徒とぶつかり合う先生が減ったことも事実でしょう。
 二つ目の方法の、「競争を認め勝利の喜びを知ること」というのは先生も大事なことだと思います。「一つでも自分の得意なものがあり、それを周囲の人に認めてもらえたならば、私たちは満足できる」という点もそのとおり。すべてを横並びにしてしまうことの方が問題ですよね。
 反対意見への理解は深いものが書けています。結びの意見は、この後に、書き出しの意見に戻って、「競争」というキーワードを使った文を加えるとさらによくなると思いますよ。また、最終段落には「○○○とはAではなくBである。」という自作名言を入れてみてね。カノンさんならすばらしい名言が作れると思います。

 中国の話、楽しみにしています。

     

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