創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日3224 今日856 合計56416
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   応用を利かす   えなも

 料理の初心者は、最初に手持ちの技術と設計があり、それに必要な資源を求める。これに対して、プロの方は、まず手に入れられる資源を前提にして、それを活用するための技術がそれから決まるのだ。だから、レパートリーが広く、その時期ごとに最もよい材料で安く良いものがつくれる。日本の近代文明は、初心者の料理に過ぎなかったのではないか。手引書通りにやるだけだからだ。エネルギー資源にせよ、鉱物資源にせよ、水資源にせよ、われわれの身の回りにはかなり豊富にある。ないのはそれを活用する技術であり、何よりもそこに目を向ける資源からの発想だ。今こそ、技術からではなく、資源からの発想に切り替えることで新しい文明への道を拓くべきだ。私は、今あるものから発想して、作り出す力を身につけたい。
 第一の方法は、今あるものを使って、ないものは借りればいい。つまり、新しく手に入れることばかりにとらわれないということだ。例えば、数学の公式でもC=90°の直角三角形において、sinA=a/cという三角比の定義さえ覚えておけば、自然とa=csinAという公式を導き出せる。持っている知識を遺憾なく発揮すれば、できないことはないと思う。持っている知識を最大限に引き伸ばすことのできることが理想だ。それには、やはり訓練が必要だ。いつこれを使えばいいのか判断できる人になりたい。
 第二の方法は、リサイクルを進めることだ。古代オリエントに、いい例があった。紀元前670年に、アッシリアが初めてオリエント世界を統一した。しかし、もちろんアッシリアは、前例がないため、諸民族をどのように支配すればいいか分からない。だから、武力に頼る過酷で、残酷な支配をしたので、諸民族の反抗を招き、結局この帝国は、50年という短命に終わってしまった。次に、オリエントを統一したのは、アケメネス朝ペルシアだ。アッシリアの失敗から、アケメネス朝は学んだ。あんなに過酷な支配をするまいと、実に寛容な政治をした。異民族に対しては、自治を容認した緩やかな支配で臨んだ。その結果、250年もオリエントを支配した。このように、今もっている情報を応用させることも大切だ。現代の大量消費社会を見つめなおして、リサイクルに目を向けるべきだ。
 確かに、新しいものをつくるほうが手っ取り早いし、経済力が活発になる。しかし、「私たちの人生は、私たちが費やした分だけの価値がある」という名言があるように、立ち止まって、振り返り、今あるものをどう使えばいいか、それを考えるほうがより良い。過去の出来事を反省することで、何か未来につながることがあるに違いない。

   講評   kira

 直子さん、こんにちは。一般に「頭のいい」と言った場合どういうことを指すのかを考えていくような内容でしたね。
 数学の三角関数を例に挙げました。難しそうだなあ。遠い過去、私はこの三角関数と数列に出会って数学とさようならをしました。(笑)「持っている知識を最大限に引き伸ばすことのできることが理想だ。それには、やはり訓練が必要だ。」同感ですね。単に暗記ばかりしても、力はつかなかった。応用力が必要なんだね。
 世界史の例も挙がりました。このことは現代の為政者たちにも言えることですね。無理難題が山積する時代だからこそ、有能な人材をうまく登用してむだや無理の無い政治をしてほしい。
 そういえば、いちばん身近な小さな社会は家庭です。その家庭をうまくあたたかく回しているのは「おかあさんたち」ですね。そして彼女らは、冷蔵庫の中の素材から家族が喜ぶ味の名品を作り出す名人です。毎日の訓練の賜物なんだね。
 見習いましょう!
        

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)