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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   豊かさのために   ルフィ

 世界銀行などで貧困だとされる人々の層は、一日あたりの生活費が一ドル以下の人々である。しかし実際、これらの人々が貧困さゆえ不幸な生活を送っているかというと、そうとはいえない。むしろ経済学的には「豊か」とされる人々よりも精神面において「豊か」な生活を送っている場合すらある。そんな彼らに私達の持つ経済的な「豊か」さを押し付けるのは果たして彼らが「豊か」な生活を送るにとってよいことなのだろうか。そこで、私は豊かさの真の意味を問い直すべきだと思う。そのきっかけを創り出すため、以下のような方法を挙げてみた。
 例えば個人個人の価値観の違いを認める、などというものはいかがであろうか。これには、先日私が体験した、とっておきのネタ(笑)がある。私には、たいてい一緒に行動をともにしている気心の知れた友人がいる。彼はとても気さくな人なのだが、一つだけ難点があり、それはギャグが寒いというところだ(笑)まぁどうでもいいことだがとにかくそれを除けば本当にいいやつなのである。そんな彼と最近、ちょっとした食い違いをおこした。あれはテスト一週間前の放課後のこと。二人で教室を占拠し、勉強をしていたときだった。常々自覚しているのだが、私はすぐに集中力が散漫する傾向がある。そのため、勉強に飽きてしまった私は喋りながらやったほうがはかどると思い彼に話しかけた。すると彼に「うるさい」と怒られてしまった。このときは私がすぐに引いたのでその場が荒れることはなかったが、これはまさに私がよいと思った価値観を押し付けた、典型的な例のように思える。あの時私は、彼が持つ価値観を認めるべきだったのだ。
 また、国際関係で見るとき、先進国が発展途上国を援助する際に相手国の多様性を認めるということも大切である。あまりいい例ではないが、例えば先日日本は北朝鮮に食糧援助を行ったが、これは正しい判断だったと思う。なぜならば、金銭の援助を行っても軍事目的に利用されてしまう可能性が無きにしも非ずだったからだ。暴言とも取れる発言ではあるが、まぁそれが現在における北朝鮮の国際的立場とも言えるだろう。この例は多様性を認めた、というわけではないが、相手をきちんと見て判断した、という点において優れていると思い、ここに引用させていただいた。
 今までいろいろ言ってきたが、いくら経済面での豊かさはいらないといっても現代で収入ゼロというのは厳しいと思うので、多少の援助は惜しまない方がいいのかもしれない。しかし、「まやかしの希望は、絶望よりも邪悪である」という言葉のように、「中途半端な援助は、それをしないよりも邪悪」であるのだ。そう、やるならばとことんやる必要がある、とも言える。そういえば、先の言葉は宮部みゆき著「模倣犯」から取ったものだが、あれも他人の価値観を認めない人の犯罪の話であったような記憶がある。犯人は残忍極まりない方法で人を殺めていた。そのようになる前に、私達は何か手を打つべきかもしれない。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。豊かさの真の意味を問い直すべきだというテーマで書いていったのですが、方法を考えていくうちに「価値観の違いを認めることが大切」に変化していったような気がします。いっそこっちを「当為の主題」にすればよかったかな。
 仲のよい友人との決定的な価値観の違いに気づいた時って、ちょっとショックです。でもそのタイミングは割合なんでもないときにやってきますね。ふだん校則や時間などに縛られてわからなくなっているだけで、生活のベースになるようなことが実はまったく違っていたりするのです。いちばん身近な家族ですら、わかりあっていないこともありますよね。
 国と国の価値観の違いを、その多様性を見つめていくことは、強者から弱者を見るときにこそ発揮されなければなりませんね。自分の尺度ではかった豊かさや幸福を押し付けてはいけないということです。イラクから目の治療に来た男の子がいましたよね。幸いにして光を取り戻し、少年は戦火のイラクに帰っていきました。どんなに荒廃してしまった国であっても彼にとってはなつかしい母国です。これも、多様性を認めることだよね。
 「中途半端な援助は、それをしないよりも邪悪」は愛読書の一説をもじったものですね。中途半端な援助というのは、たとえばO型の人にA型の輸血をするようなものでしょうか。(血液型の種はとくに意図するところはありませんよ。)拒絶反応をするばかりか、命までも失うことになりそうです。真に豊かにするためには、その人の血脈をふとく熱くするような援助がいるような気がします。
        

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