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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   不必要なものは、本当に不必要なのか   いうや

 目明きには何でも見えるために、何でも解ると思っているが、実は「目明きのおごり」がある。意識して見て、記憶するのはほんの一握りである。しかし盲人には、目は見えないがその代償として心の眼をもっている。その眼で「遠く」を見るために、周りの物に対する「やさしさ」を持っているのだ。生態系には荒唐無稽なこと、無駄なことで満ち溢れている。それは神話や昔話の不正確さと同じだ。しかしそうした一見無秩序な関係の中には、自然と調和して生きるために、すなわち大胆な生物の叡智が働いている。
 生活していく上で、やはり必要なことを優先的に考えていくべきだという意見がある。テスト勉強でも同じだ。テスト範囲に入っている、一番基本的な教科書の内容しっかりと学び、理由を把握することが先決だ。勉強の土台となる基礎をしっかりと作り上げることができれば、そう簡単に崩壊することは、まずない。その次に捻った問題のある応用編で、土台の上に飾り付けるのだ。しかし僕の場合、たまに脱線することがある。社会の勉強をしているときでも、まだ習っていないヒトラーのことや太平洋戦争のことが載っているページを隅から隅まで読んでいたり(テスト範囲内のページを隅から隅まで暗記しろ!)、数学のまだ習っていない二年の図形を見て感心していたりしている。テスト勉強もそれだけ集中していればいいのだが・・・。
 しかし、不必要な利益のないものもなくてはならない。普段の生活に、絶対やらなくてはならない必要不可欠なことばかりしていては、ゆとりがなくて心身が疲れてしまうだろう。たまには、音楽を聞いたり、趣味をしたりテレビを見たり、とんでもないことをやってみたり(おいおい・・・笑い)したほうが、逆に毎日が充実したものになり、楽しく過せるだろう。
 確かに必要なものも、無駄なものも大切だ。しかし「存在するものには、よいとか悪いとか言う前にすべてそれなりの理由がある」という言葉もあるように、TPOに応じて、必要なものばかりで詰め合わせたり、無駄なものを紛れ込ませたりするのがよいのではないか。しかし、疲れきっているときやいっぱいいっぱいのときには、無駄なものが心身を癒してくれるだろう。

   講評   huzi

      
中学生になってもっとも忙しい8月だったね。研修旅行、その後の報告会、部活、宿題……さすがの將くんも目が回ったことでしょう。前回の電話ではめずらしく疲れた様子でしたが、そういうときは誰にでもあります。この意見文の最後尾の文、「疲れきっているときやいっぱいいっぱいのときには、無駄なものが心身を癒してくれるだろう」に甘んじてもいいと思います。
 目に見えないものを見る力、つまり生物的勘というのかな。情報社会の真っ只中にいると、いかに知識があるか・その知識を効率よく形にできるかということが問われますね。でも、目に見える成果だけを追い求めて走り続けると人間の意識は疲労困憊してしまいます。
 【複数の意見】は、「必要なことを優先させる立場」と、「一見不必要なものを味わう立場」から考えたね。テスト勉強を【体験実例】にしたのは実感があっていいね。私もどちらかというと、余白に関心を持ちすぎて脱線するタイプだったので、点数に現れない知識ばかりを増やしていました。基礎練習は苦手だったなぁ。
 それから十数年後の今、ツケが回ってきたのか(笑)、しなければならないことだらけです。意外なことに、自分の子どもに対しては「優先順位を考えて効率よく動きなさい」と、自分が出来なかったことを求めてしまうこともあります。見抜かれているようですが。
 ところで、とんでもないことをやってみたり……とは何だろう、おもしろそうですね。確かに忙しく過ごしていると好奇心が磨り減ってしまうよね。これでは基礎を築く力も失われてしまいそうですね。
 【総合化】は、両者の立場のバランスという結論に落ち着いたね。必要なものを見抜く力は、無駄を経験することで養われると思います。疲れたときに行う無駄な行動にも意義があるんだね。

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