国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   「夏の庭」を読んで   うさぴょん

「そこを発見するんだよ」
「え」
「おじいさんが死ぬ。そこを」
こんな会話から三人の受験生がおじいさんを見張る夏休みが始まった。
 主人公(木山)とその友達河辺と山下は、「死ぬ」ということを見るため、もうじき死ぬかも知れない一人暮らしの老人を見張ることにした。ある日、見張りのじゃまになるくさいゴミを出そうとして、おじいさんの家に入って、おじいさんに見つかってしまう。そこから、おじいさんとの交流が始まる。
コスモスの花の種をまいたり、やすりのかけ方・ペンキの溶かし方・刷毛の使い方・のこぎりの使い方・草の抜き方・なしのむき方を教わったり、戦争の話を聞いたり・・・・・・。しかし、おじいさんは死んでしまった。
 「食べてよ」ぼくは、ぶどうの実をおじいさんに差し出した。「ねえ、食べてよったら」私はこの場面に感動した。サッカーの合宿から帰ってきた三人が、おじいさんが死んでいるのを見た場面である。あまりに突然な死に動揺した主人公が言った言葉である。もっと話すことが、もっとやることがあったのにと三人はどれだけ悲しんだか、ということがひしひしと伝わってくるからである。もし、それが私だったら。もし、私の身近な人が死んでしまったら。まるで、狂ったかのように泣くのかもしれない。いや、もしかしたら、驚くほど冷静かも知れない。どちらにせよ悲しいのに変わりはないと思う。
 私には身の回りの人を亡くしたという経験がないので父に聞いてみた。
 「悲しいなんてもんじゃなかったよ。」
少しさびしそうな笑みを浮かべながら、ぽつんと父は言った。父が父—私の祖父にあたる人−を亡くしたのは、父が二十五歳のときだった。私には絶対会えない人。父は、祖父のお墓参りに、彼岸で二回、お盆、命日、正月と欠かさずに行く。私は毎回、何のために行くのかという疑問があった。その疑問が解かれた。父は言った。
「孫の元気そうな顔をみせてやれば、喜ぶんじゃないかって思うから、お前を墓参りに連れて行くんだ。」
ああ、そうだったのか、と納得し、なぜそんなことも気づかずに面倒くさがっていたのかと後悔する気持ちが広がった。肉体的には、死んでいても自分の近くで見守っていてくれる。父は、そう思うからお墓参りに行くのだろう。
 死んでしまっても、その人は誰かの心の中で永遠になる。つまり、死んでも忘れられないということである。
 三人の少年達はおじいさんが死んだ後どうなっていったのだろうか。主人公は受験に合格したが、山下は落ちてしまった。河辺はお母さんが再婚することになり、チェコという国に行くことになった。それぞれ、別々の道を歩むことになるが、三人とも「もし、おじいさんだったらなんというだろうか」と考えて行動している。きっと、このおじいさんのことは一生忘れないだろう。
 この物語を通して私は、死について色々なことを考えた。そして、死を身近に感じた。
 人間にとって死とは、ただ会えなくなることではなく、誰かの心に永遠に生き続けるということである。

   講評   nara

後半の付け加え、がんばったね。この夏は、塾の勉強・読書・作文と本当に充実していた。この夏のがんばりは、秋以降のうさぴょんさんを支えてくれる、大きな力になるはずだよ。
 9月も楽しく進めていこう。1週目は作文テスト。特に心配はしていないけれど、よりよい内容になるよう、題材探しをしておこうね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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