創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
うるおいが人間にもたらすもの うここ
目の前に突如として役にも立たないものが出現すると、それだけで文化的衝撃をうけ、深く困惑する。現在先進諸国の各都市では、経済活動から文化活動へいそしむべく、都市の各所に「何の役にも立たないもの」を出現させることで、住民に文化的衝撃を与えることが、静かに流行しはじめている。日本では、「役に立たないもの」は依然として「役に立たないもの」であり続けており、周辺に群がる人々も、依然として「どうしていいかわからない」まま、困惑している。
生活に絶対必要ではないけれど、人間にうるおいをもたらすものはたくさんある。いらいらしたとき、友達と喧嘩したとき、おもしろくないことがあったとき、人間は心にうるおいを求める。求めるものは人それぞれで、それは、ときにはペットであり、友達であり、メールだったりする。私の場合は音楽だ。自分で演奏するのではなく、聴くほうだ。悲しいことがあったときには、元気なポップミュージックを聴き、頭に血が上っているときには、静かで幻想的なクラシックを聴く。私の場合は、音楽を聴くことによって、心の乱れがおさまる。人間はうるおいを求めることによって、冷静になることができるのだ。
そのほかに、生活に絶対必要でなくても、それがないと生きていけないようなものもある。例えば「笑い」。友達と笑いあうことも心のうるおいにつながる。反対にそれがないと生きていけない場合もあるのだ。つまり、人間は心をうるおすものがないと、生きていけないのではないだろうか。友達のつまらない冗談も、ときには心をうるおすものとなる。つまらない冗談に、まるで病気を癒すように、心を癒されるときもあるからだ。
このように、知らず知らずのうちに、人間はうるおいを求めていることになる。
うるおいとは、今の時代の人間になくてはならないものであり、なくてもいいものである。うるおいを求めない人間はおかしいと言えるかもしれない。しかし、自分では気づかなくても、心のどこかでうるおいを求めている戸思う。それだけ、うるおいとは人間にとって大事なものなのである。
講評 ita
こんにちは。有紀ちゃん。「くだらないものが実は必要」という内容の感想文、難しい題材だったのによくできましたね。今日まで人は必要なものを追い求めて発展してきました。でも心のゆとりには無駄なものが必要ということかもしれませんね。先生はこの週末長野県に行ってきました。(懐かしいでしょう?)新鮮な空気をすうだけで心が癒される感覚に、この長文をふと思い出しました。
<第一段落>
まとめにくい要約でしたね。「噴水はただ水を吹き上げていればいい」ということばが入るとまとまるかな?
<第二段落>
いいにた話だね。やっぱり有紀ちゃんは先生よりもっとするどい感性があるようです。「音楽」は人に潤いを持たせるもの、という考えだけでなく「潤いを求めることで冷静になる」と考えたのね。一歩踏み込んだいい考えだと思います。
段落最後の「まとめ」もビシッと決まっていますよ。
<第三段落>
「笑い」は一見むだなものに見えますが、「笑い」が支えとなって人間は生きているのですね。そのとおりだと思います。「必要ない」と思っていることが実は人の潤いになるいい例ですね。
<第四段落>
「うるおい」という一般化のまとめで結びました。「潤い」の大切さを痛感したようですね。物質的な幸せよりも精神的な幸せを求めるからこそ「人間」でいられるのかもしれません。それに気づいた有紀ちゃんは大きな人間なんでしょうね。よくまとめることができました。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |