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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   〜「じしん」から自信を得よう〜の巻   高峰

 バルカン半島では長期間に渡って争いが繰り広げられている。セルビア人とクロアチア人といった、現在ではほとんど区別のつなかい程よく似た2つの人種が、僅かな違いを意識しすぎたことが原因である。フロイトが言った「微差のナルシシズム」によると、双方の違いは小さければ小さいほど近親憎悪の炎は激しく燃え上がってしまうようだ。2つの人種は、自分達の価値を見出すためにこのようなことをしたそうだが、それは正しいことなのだろうか。私は、相手との比較をせずにアイデンティティーを確立するべきだと思う。
 そのためには第一に、自分に自信を持つことだ。自信が無いと、どうしても他者と自分を比べてしまう。そして、他人の汚点を発見して優越感に浸るのだ。私が受験戦争に巻き込まれていた頃通っていた塾で、本番形式の問題が出題される模試というのが何度か行われた。テストが返却されるその都度その都度、塾生達は互いの点数を見比べて一喜一憂していた。たった1,2点の差なのに…(もちろんこの僅かな点数が、本番では大きく影響するのだが)。しかし、ある日塾の講師が言った。「こういう模試では、まわりの点数を見て喜ぶんじゃない!自身の成長具合を見て喜ぶものだ」と。自分がもの凄く良い点数を取れば、入試では確実に合格を勝ち取れるのでまわりなど気にはならない。今講師の言葉を思い出してみると、あの頃の私達には自分に対する自信があまりにも少なかった。他人との点数の比較で得た自信ではなく、自分自身で高得点を叩き出して得た自信。これなら一生モノであり、揺るがないだろう。その人にとって、大変価値のあるものとなる。
 第二の方法は、国の内側を安定させることだ。バルカン半島では、国の外部に敵を作ることで、国内の団結力を高めて国を安定させようとしたのである。人間という生き物は、どうしてこうも敵ができると一致団結するのだろう?近年問題となっているいじめは、その良い例である。戦国の世では、大名同士が同じ敵を討つために手を組むということがよくあった。しかし、その後裏切りが起きたりで、上手くいかない場合も多かったようだ。結局大切なのは、同じ敵を定めて信用ならぬ相手と組むことではない。大名の管轄下を、しっかりとまとめあげ、安定させることなのである。
 確かに、まわりとの比較も大切だ。まわりの状況によっては、いくら自分が良い点数を取ったとしても受験戦争に敗れることだってありえるのだから。しかし、やはり他人と比べることではなく、自ら満足できるような結果を勝ち得て存在を証明するべきだ。自身を高め、存在を示すもの—それは比較ではなく、自身の力量なのである。スキルをアップさせ、常に自分に自信を持っていきたい。

 ところで、「じしん(自信/自身)」という変換が妙に多かった気がする。一つも誤字が無ければ、私は自分に自信を持って「誰にも負けない変換の正確さ」を売りにアイデンティティーを確立するべきだろうか。

   講評   jun

 「相手との比較をせずにアイデンティティーを確立するべき」というテーマは、中学生の課題でもテーマになっていましたが、今回は、大きなスケールでまとめたところがいいですね。特に二つ目の方法は、長文の内容をふまえた上で、敵を作らずに内部固めをすることの大切さを考えることができました。
 他者との比較によってしか自分を定めることができないのは、自分の内部が成熟していないからと言えるでしょう。他者との差異を見出して一喜一憂するのではなく、自分自身を充実させていくことが本当の意味での成長ですよね。

 どんな地震に遭っても、ゆるがない強い自信を自分自身の内に持っていたいものです。たとえ山道で方位磁針が壊れたとしてもあわてふためくことのないような自信を持ち続けてください。
     

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