創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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「文化的カプセル」 うさぴょん
世界じゅう、どこにいっても日本の旅行者たちは、身のまわりに、「文化的カプセル」を持って動き回る。「文化的カプセル」は、アメリカ人だって、フランス人だって、それぞれの「文化的カプセル」を持っているが、問題は、皮膜の強度であろう。そして、わたしのみるところでは、日本人の場合、とりわけその「文化的カプセル」の外皮膜は、かなり強く、それを内がわから破ることを日本人はあまりしたことがないように思えるのだ。
今までは破る必要がなかった「文化的カプセル」。しかし、今では破る必要が出てきた。なぜなら、日本が経済的にも力をつけ、世界中のたくさんの国と深く付き合うようになったからだ。特にこれからは、各国と協力して世界平和のために努力をしたり、環境問題を考えたりするのだから、破ること、すなわち自分の意見を発表することが大事になってくると思う。それでも、この皮膜は破れていない。きっと、よほど厚いのだろう。
皮膜が厚いことを示す例はたくさんある。例えば、人見知りだ。人見知りが激しいということは、「自分的カプセル」(笑)に閉じこもりがちということではないだろうか。また、人に声をかけられないとか声をかけられても返事ができないというのも、「自分的カプセル」に閉じこもりがちだと言える。ほかに、隣の家の人と交流がないなどというのは、「ミニ文化的カプセル」ではないだろうか。日本人全体として、「文化的カプセル」や「自分的カプセル」、「ミニ文化的カプセル」に閉じこもりがちだと言える。
私も「自分的カプセル」に閉じこもることがある。例えば、知らない人に声をかけられたとき(外側からカプセルをたたかれる)などがそうだ。
「今、何年生?」
などの具体的な質問には答えられるのだが、
「○○があって大変でしょう?」
などと聞かれると、
「ええ、まあ・・・・・・。」
と曖昧な笑顔でうやむやに言葉をにごしてしまうことがある。
「文化的カプセル」なとの「〜カプセル」にまるでアルコールに依存してしまったようになってしまった、日本人。きっと、破ろうと思っているのだけれど自信がない、という人が多いのだろう。もし、私が日本人だったら、
「なんでそんなに殻にこもっているのかな?」
と不思議がるかもしれない。
脱皮しない蛇は滅びるという名言がある。そのとおりで、皮膜を破らないといつまでも成長しない。
人間にとって「文化的カプセル」とは、外界から遮断してくれるものではなく、破ることて新しい発見が得られるものだ。
講評 nara
「なぜ、今、外皮膜を破る必要があるのか」の説明と、まとめの段落に名言を入れること、両方しっかりできたね。前の作文からぐっとレベルアップしたよ。いい清書になった。
うさぴょんさん、今まで楽しかったね。お母さんがファイルしてくれた作文だけでなく、うさぴょんさんの内側に残るものが、たくさん生まれたね。よくがんばってこれた。あとは、自分を信じてやれることを一つ一つ進めていくといい。春の連絡を待っているよ!
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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