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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   季節   シュシュ

 どんなに暑い夏でも、長袖の背広を着ているサラリーマンの人は多く見られるものだ。私が通学に使っている電車は、そんなサラリーマンのために空調がされているのだからとても涼しい。涼しいというよりも、はっきり言って寒い。しかし、最近では電車だけでなくコンビニやデパートはもちろん学校内までこのように温度が設定されている。だが、私はもっと季節感を感じる暮らしをしてゆきたいと思う。
 そのための第一の方法に、四季の変化を喜んでうけいれることのできる心をもつことだ。去年の夏が冷夏だったのを覚えているだろうか。7月8月になっても、なんだか夏らしくカラッと晴れる日が少なく、雨がふったりもした。おかげで去年の九月 頃の私は、なんだか夏を満喫しそこねた気分で少しもの足りなかった。対して今年の夏は、記録的な猛暑となった。学校へ歩いて行く途中などは、ものすごく暑くて本当に倒れそうになるくらいのものだったが、それでも私は嬉しかった。身体的には暑くて苦しくても、暑い夏を感じられること、この暑い中で海へ行ったりと遊ぶことができることが私にとってすごく嬉しいものだったのだ。特に日本の四季はそうだが、季節ごとの変化が激しい。猛暑や極寒はつらいものではあるが、それも生きている自然の証拠の一つだ。科学の力で抑えるのでなく、その変化を心と体で喜んで迎えるのも、乙なものではないか。
 第二の方法に、季節を実体験して肌で感じることだ。水についてのヘレンケラーの有名なエピソードは、だれもがしっていると思う。(伝記)聾であり盲であったヘレンが流れている水を手で触って、コップと水は別々なものであるということを初めて理解したという話だ。ヘレンがそうだったように、人工物にかこまれたものでない、自然のものを触らないと絶対にわからないことがあるのだ。季節だって同じである。テレビでものすごく有名できれいな紅葉の番組を見るのと、いつもと変わらない家で夕飯に秋刀魚を食べるのでは、どちらが秋をより感じることができるだろうか。私はやはり後者だと思う。どんなに綺麗な映像でも、目の前にある秋刀魚には勝つことができない。
 確かに、真夏のクーラー、真冬のヒーターは私にとっても快適に暮らすために欠かせないものだ。しかし私は、「寒さに抵抗するいちばんよい方法は、寒さに満足することである」という名言のように、ありのままの四季を受けとめながら生きてゆきたいと思う。現在の日本は、欧米化、科学の発展などを念頭におき、ひたすら進んできた結果だと思うが、日本古来の四季との共存の大切さや重みを私は忘れたくない。季節のサイクルによって生きてきた日本人なのだから、風流に対する感性はだれもがもっているはずだ。その感性を軽視するのは、宝のもちぐされどころか、今となっては環境破壊を進める行為にもなるので、自分の首をしめることになるのではないだろうか。空調のきいた部屋でパソコンを使ってこの文を書いている私だが、季節に対するこの気持ちは大切にしたい。

   講評   miri

<第1段落>わかりやすい状況説明と明確な意見が入りました。「季節感を感じる」は重複した言い方ですので、「季節を感じる」でよいでしょう。
<第2段落>日本にははっきりと四季があり、それによって昔からさまざまな芸術や料理やファッションなどが生まれています。生活の工夫もあります。それなのにどうして現代人はそれをもっと享受しないのでしょうね。昔の人はもっとうまく季節とつきあっていたと思います。
<第3段落>この段落、非常によいですね。前半のヘレン・ケラーの逸話も効果的で展開もうまいし、後半は生活のにおいのするたいへん説得力のある実例が配されています。
<第4段落>まとめの段落もよくできました。全体を通して、自然への畏敬、愛、親しみが感じられ、よい作品に仕上がりましたね。

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