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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   幸福って何だろう   しっぽ

 私は今とても不幸だと思う。今日も家に帰りたくない。
 幸せにはたくさんの形があるようだ。まず、目標を目指す時の幸福。例えば、誰にでもあるこんな経験。小さい頃は、父や母の肩たたきをしておこかいを稼いだりしなかっただろうか。金の為にがむしゃらに肩をたたくが、規定の回数をたたき、金が手に入ると、すぐに雇い主の元を離れてしまう。普段は絶対にしなことでも、報酬などがからむと、この行為自体が楽しいものに思えてくるのだ。これが目標を目指すときの幸福、というものだ。もう一つは、現状を受け入れ、それを幸せと思う幸福のあり方だ。目標に向かって懸命になるのも良いが、ただ求めるだけでなく、自分を取り巻く世界を受け入れ、先に進むことも時には必要だと思う。
 まず、そのための第一の方法に、周りを落ち着いて見渡す、ということだ。当たり前のことと思うが、意外とできていないものだ。私が半泣きで家に帰ったのは、つい一週間前だっただろうか。数学のテストが、自分でもびっくりする程悪かったのだ。今まで、アニメなどを見ていて、駄目な主人公が平気で悪い点を取っていることを不思議に思っていた。なぜこんな点数が取れるのだろう。アニメの主人公に対しての批判が、自分にも当てはまるというケースは生まれて初めてだった。それから、私と母の喧嘩が始まった。私のちょっとした行動に苛立ち、しばしば大喧嘩になった。私は、本当に母と顔を合わせるのが面倒になり、家に帰ることすら億劫になってしまった。しかし、冷静になって考えてみると、どんなに怒っていても、母が毎朝早起きをして、私の弁当を作ってくれる、ということはとても嬉しいことであった。自分の怒りにまかせて、大切なことを見落としていた。とても恥ずかしかった。(体験)
 また、第二の方法に、小さな頃から、豊かな感受性を身につける、ということだ。現代の子供たちは、何をして遊んでいるのだろう。約十二年前、私は同じ社宅の子たちと年から年中遊んでいた。今のように、テレビゲームもそこまで普及していなかったし、何より生身の人間と遊ぶ方が、架空の人物とそうするよりも、何倍も楽しかったのだ。私は、そこで人との関わり方、世間での一般的なルールを学んだ。小さい頃から体で覚えてきたものは、今までもこれからも役に立つ。テレビゲームは、人間が作ったものだ。消費者が気に入る展開にしかならない。いくらコミュニケーションゲームを売りにしていようとも、それは全く「コミュニケーション」が成立していないのだ。子供たちが、その疑似体験を本物と勘違いしなければいいな、と私は心から思う。感受性によって、幸福というものがどんなに小さなものでも、幸せと感じることができるのだ。
 確かに、先が長い若者にしてみれば、現状に満足するなどという生き方は大変難しいだろう。なんらかの目標を見つけることで、生きる意味を再確認することもある。しかし、裏を返せば、そうすることでしか生きていけない、ということだ。嫌なことばかりが続く毎日。何も感じなった日。そんな日は、なんて無駄だったのだろう、と感じてしまうかもしれない。しかし、そう感じることでさえも、自分を成長させる糧であることに気付きにくい。私は、嫌なことから目を背け、早くこの状況から抜け出したい、と思う。しかし、現状を避けることばかりに熱心になり、何も考えないこと程無意味な時間は無いのだ。どんなに辛くても、その時にたくさん悩めば、いつか「あんなこともあったなあ」と笑って話せる時も来るものである。こうして悩み、考えることが、未来への幸福であり、また、現在での幸福でもあるのだ。幸福というものは、未来にばかり待っているものではなく、現在にも、本当に些細なことかもしれないが、幸福は転がっているのだ。

   講評   nane

 書き出しの工夫……ではないか。(笑)
 書き出しに続ける形で状況実例を書いていくといいから、肩たたきあたりの話から初めてもいいかも。
 自分を取り巻く世界を受け入れる幸福というのは、若い人ではあまり言わないね。こういう幸福感は、いろいろな幸福や不幸を経験したおじいさんかおばあさんが持つことが多い気がする。それとも、そういういろいろな苦労があったのかなあ。
 数学のテストの体験はいい例。みんな、成績に左右されやすいからなあ。先生も高3のとき、すっごーく悪い成績を取ったことがある。それで、職員室に呼ばれて事情を聞かれた。事情と言っても、ただわからなかっただけだけど。(笑)でも、全然気にならなかった。成績よりも、その中身が大事だから、自分でもう一度解いてみて解ければそれで問題ないと思うよ。
 第三段落の小さいころの体験実例もいい例。いい子供時代をすごしたんだね。人間にはリズムがあるようだから、たぶん子供時代がピークで、今の高校生時代はちょっと波の下の方で、また大学生になるころに上向きになると思うよ。波の下のときは考えが深まっている時期だと思ってがんばろう。
 結びの感想は実感がこもっている。名言も自然に決まったね。
 社会実例をもう一工夫してみよう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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