創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   うさぎとかめ   聖羅

 私の学校は今年で五十回目という、記念すべき秋季大運動会が行われた。私の学校は五クラス編成で、三学年合同のクラス別にチームが分かれる。一組は赤、二組は青、三組は・・・というようにクラスカラーが決まっていて、(これは二十年位前からだが)各クラスの応援席はこのクラスカラー一色に染まる。私たちの学校の運動会は母の言葉を借りると「異常」である。九月の末の本番に向けて、運動会の委員が結成されるのが五月中旬。夏休みも委員はほとんどつぶれてしまう状態で、当日の進行や準備はもちろん、競技のルール確認や審判、受付も生徒が行っている。それだけの時間と労力をつかっているので、本番それが熱気に変わり五チームがライオンのように優勝という獲物を追って激しい戦闘を繰り返すのだ。
 確かに、勝つことは大事だ。勝負では負けることよりも勝つことのほうが嬉しいし、達成感がある。百メートル走をビリで走り抜けるよりも、一位でゴールテープを切るほうが誰にでも気持ちが良いだろう。
 しかし、ただ勝つことだけに意味があるわけではない。勝利という目的にだけとらわれてドーピングをしてしまい、金メダルを剥奪されてしまったオリンピック選手も決して少なくはない。昔話に「うさぎとかめ」という童話がある。うさぎとかめの競走の話だ。常識で考えればうさぎの勝利は間違いなし。でも、油断をしたうさぎが昼寝を している間に、かめは休まずひたすら歩き続け、ついにはうさぎを追い越してうさぎに勝利した。かめにだってもちろん勝ちたいという欲望があっただろう。実際それがなければ早々と諦めて殻の中に入っているはずだ。(笑)しかし、普通に考えれば勝つことなどありえない勝負にあえて参加し、走ろうという姿勢こそが勝負の世界で最も意味のあることなのではないか。「スポーツは参加するということに意義がある」というように勝負の世界は勝敗だけで決まるわけではないということである。
 勝負の世界で、スポーツは勝たなければ意味がないという意見も、スポーツは参加することに意義があるという意見もどちらも大切である。しかし、いちばん大事なのは、ライオンは、一匹のウサギを倒すためにも全力を尽くすという名言があるとおり、どんな勝負にも全力を出し切り、そのスポーツの中で自分と相手が技術的にも人間的にも成長していくことである。

   講評   takeko

これは、なかなか上手に書けましたね! 「勝つことは大事だ」という意見Aの前提として、学校の体育祭の準備の熱狂的なありさまをもってきたのは流れとしておもしろいし、読者の興味もひきます。お母様が「異常」とおっしゃるように、「勝つこともだいじだけれど、どうなってしまうんだろう・・・」という意見Bへの伏線もあります。(ちなみに私の娘の高校の文化祭もまったく同じような状態です(笑))「うさぎとかめ」の引用も、ただ話や題をうつすだけでなく、自分なりに考えた内容を入れていておもしろい。よくここまで成長しましたねー、作文力が。先生はうれしい(泣)。ドーピングの例もタイムリーでいいですね。ほかの生徒さんの説明に使おうっと。って、もう1週目みんな終わってます。残念!もうちょっと早く送ってくれれば〜斬り!
まとめも名言もうまく入りました。あ、そこにの記入をわすれましたね!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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