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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   柿と私   スピカ☆

 色づいたカキは日本の秋を彩る風物詩です。カキこそは千年にもわたって日本人と共にあり、幾多の詩歌に詠まれてきた郷愁の果物といえる。カキは中国で生まれ日本で大きく発展した果物で、また、日本名のままで世界に通用する数少ない果物でもある。大正期までカキは日本の果物の王座に君臨していたが、やがてその座は、新興のミカンとリンゴに奪われ、最近では食の多様化の中で、生産量はナシにも後れを取っている。果実が赤く完熟してタネが充実し、渋みのなくなる「熟しガキ」の時期こそが、動物たちの食べたい気持ちと、タネを運んでほしいカキの思いとが一致する時なのだろう。こうした、渋を抜いてまで若いカキを食べてしまうヒトの出現は、カキの進化にとって勘定外のことだったに違いないだろう。
 私の家の庭には、柿の木がある。毎年、この柿を干し柿にして、食べている。私の家のストーブは、薪を燃やして暖めるストーブだから、その上に、柿をつるして干す。毎年毎年、私は、おいしそうなのを、マークして、とられないように、ひそかに、見張っている。干し柿の作り方は、とっても簡単だ。柿の皮をむいて、ヘタにつながっている枝にひもを通し、ストーブの上に干す。これだけで、OKだ。この柿が、シワシワになってくると、食べたくて、食べたくて、しょうがなくなってくるのだ。今年も楽しみだ。
 私は、小さいころ、渋柿をそのまま食べてしまったことがある。渋いというのは渋いのだが、渋いというより、しびれるという方が合っている。「急いては事を仕損じる」ということわざがある。このことわざ通り、渋柿がまだ熟さないうちに食べると渋い。(でも、渋柿だから、熟しても、渋いのかも……)丁度良いタイミングは、動物たちの食べたい気持ちと、タネを運んでほしいカキの思いとが一致する時、もっともおいしく熟したカキができ上がるのである。まるで、機械のように、ぴったりになるのだ。
 動物と植物には、深—い関わりがあるのだと思う。自然のねじが、少しでも狂うと、物事が成り立たない。私は、柿も、家の柿の木も、好きだ。だから、自然のねじを狂わせないようにして、私の好きな柿を守っていきたい。


   講評   takeko

とてもよく書けました! 要約もいいです(最初の「風物詩です」を「風物詩だ」にだけ変えてください)。第2段落、第3段落もいいですね。(課題の絵の実とまったく同じように、さりげなく柿の絵が入っているのがオカシイ!)そして一番いいのが、最終段落、一般化の主題です! 動物と植物には関わりがあること、「自然のねじが狂う」というところ、「物事が成り立たない」「柿を守っていきたい」など、一般的なことばをとてもうまく伝えた上、自分の気持ちもこもっています。だんだんと、深い主題が書けるようになってきましたね! 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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