低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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学ぶ喜び はるる
今も昔も、人間は何かを学び続けてきた。現代の日本ではすべての人が勉強することができるが、何十年か前までは限られた人間しか学ぶことができなかった。それ故人間にとって学ぶことは喜びであったのだ。けれども学ぶことが当たり前になってしまった今日、それを苦痛と感じる学生が少なくない。自ら望んで学問するではなく、やらされる学問となっていることは問題だと思う。
その第一の原因は、暗記に頼ることが多いからだ。私の場合、特に数学は暗記してテストを受けているだけだ。公式も当然理解して使っているわけではない。ただ微分積分はこうして解くんだよ、と教えられてそれをそのまま頭に入れているだけなのだ。理解していない道具を使うのはやはり苦痛である。理解の上で成り立つ暗記物でなければそれは有用ではないだろう。
第二の原因は、大勢の人間が同時に同じ勉強をすることを強いられる環境である。人間の理解力や速度はそれぞれ違う。つまり多数の生徒に対して一人の先生が同時進行で教えるというのには無理があるのだ。点数に結果は出せたとしても、多くの生徒はその学問に喜びを感じないだろう。理解が追いつかなくなったとしても、止まることのない流れに流されなければならないという状況はけっして学問をする上でよい環境とはいえない。
確かに苦痛を我慢しながらも学ぼうとする姿勢は無駄にはならないだろう。しかしながら、本来の喜びを感じられないままただなすがままにやらされていては大変もったいない。知ること、学ぶことをもっと大切にし、自覚を持って向き合うことが必要である。(自作名言)
講評 sugi
現代の日本では、学ぶことが喜びではなく、むしろ苦痛となっているのは悲しいことだね。本来、人間は知識を得たいという欲求を持っている生きものであるにもかかわらず、なぜこのような事態になってしまったのか。はるるさんの挙げた二つの原因は、どちらも説得力があります。
高校で勉強する内容の中には、確かに暗記物が多い。21世紀になるまでに、人類が獲得してきた知識を、次世代に受け渡していくためには、時代とともに覚える内容が増えてしまう。人類は知識を共有して生きる生物だから、これは宿命的なものかもしれないなぁ。しかし、ともかく頭に叩き込み、使っているうちに「そうか、こういうことだったのか」と急に気づくというがあります。まずは苦痛を乗り越えるための、しっかりとした動機付けが必要かもしれないね。
「知ること、学ぶことを大切にして、自覚を持って向き合う。」このためには、自分がどんなふうに社会と関わっていくのか、またどんな姿勢で勉強を続けるべきかを分かっていなければ難しいね。高校生には、そこのところをよく考えて大学に入ったら主体的に学んで欲しいと強く思います。人生のうちで、今が一番学べるとき。今の時間を大切にしてね。
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