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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   効力感の大切さ   まなピー

効力感は、ただ自分の努力によって好ましい変化を引き起こすことができた、というだけでは伸びていくものではない。これこそ自分のしたいことだと思える活動や達成を選び、そこでの自己向上が実感されて、はじめて真の効力感は獲得されるからだ。たとえば、子どもが三輪車に乗っていたが「自転車に乗りたい。」と言い出すようになる。三輪車が安全で簡単な乗り物となったのだ。しかしいきなり自転車に乗るのは、親としては心配なので補助輪付自転車で我慢させる。子どもは仕方なくガラガラと音を立てながら乗っているがまたすぐに、ちゃんとした補助輪なしの自転車に乗りたがるようになる。このように子ども時代に効力感を十分に養い、努力を成功へとたくさん結び付けてきた人というのは、大きくなっても「やればできる」の精神でいろんなことに取り組めるようになる。だから、誰かに言われてやるのではなく何事にもチャレンジしていく、やる気と自信を持ち合わせたような人間になるべきだ。
 まず第一の方法として、自分で「失敗を恐れない。」という心構えを持つことが大切である。私は以前にこんな出来事があった。私の学校の学院際では中三のときに舞台で劇かミュージカルをしなければいけないことになっている。その台本を演劇部である私に書いて欲しいと頼まれたことがあった。私は「無理、無理。私は自信ないから。」と言って他の演劇部の子が書くことになった。私はその台本を書くことになった友達のサポート役だったのだが、友達は頼まれてすぐに引き受けてスラスラと台本を仕上げてしまった。私が驚いていると友達は「本当は自信がないけどやってみる価値はあるかなって思ったから引き受けただけであって、そんなすごいこととちゃうで。」と言いながら笑っていた。実際に私が一番最初に台本に目を通させてもらったのだが、直すところがいっぱいあって私がそれを指摘すると友達は「やっぱり!直すところだらけなのは自覚しとった。」と言っていた。そのとき私はその友達みたいに、引き受ければよかったかなと今さらながらに後悔した。そして、失敗を恐れていない友達をすごくうらやましく思ったりもした。それから、私は積極的に何事にもチャレンジすることに決めた。おかげで自分の意思も持てるようになったし、いろんな人と交流できるようになった。「失敗を恐れない」という言葉は誰をとっても永遠の教訓だろう。特に日本人はあまり積極的でないらしい。だからこそ、勇気を持ってやってみるかことが大事だ。成功を重ねることによって、自信へとつながっていくのだから。
 第二の方法として、子どもを少しでも危険なことにチャレンジさせることだ。現在の日本の状況はまさに「少子高齢化」だ。親、祖父母、曾祖父母までもが一体となって、子どもを可愛がっている。これでは、子どもが少し危険なことをやりたいと思っても、育てる側からの制圧が強すぎてやりたいこともできなくなってしまう。これでは効力感を失ってしまうのも当然だ。例をあげるならば昔の有名な人物で豊臣秀吉という人がいる。秀吉は、農民の出身であった。多くの農民たちに馬鹿にされたにも関わらず、彼は織田信長にまで信頼される立派な武士となり、ついには全国統一までなしとげてしまった。農民にとっては驚くばかりであろう。あの農民の子が、と。私は豊臣秀吉をすごい人だと思った。しかし、別のことも考えた。それは秀吉の両親のことだ。戦国時代、というのは産まれたときからその子の将来はほぼ決まっていた時代である。農民の親から産まれた子なら、将来はほとんどの人が武士や貴族にはなれず、一生農民として生きていくのが普通だった。だからこそ、秀吉が武士になると言って家を出たときに、両親が彼を止めなかったのが不思議でならないのである。そして私は秀吉のことを思って行かせた両親は偉いと思う。現代社会なりに解釈すると、秀吉の両親は秀吉以上に立派かもしれない。子供の効力感を抑圧せずに実行させたのだから。もし秀吉の両親が止めていたら歴史が変わっているだろうし、私たちもここにいないかもしれない!!(笑)現在の社会状況は先程述べたように、少子化であるため親としてはわざわざ危険性を伴うことはして欲しくないだろう。しかし、抑圧することで効力感を失わせるようではその子の自信も失ってしまい、将来を見据えるとあまり好ましいとは言えない判断だ。だから、子どもを大切に思う愛情も大切だが過保護になりすぎないように、チャレンジする心を持たせるような教育をするべきだ。
 確かに、自分のことを理解しておくためにも「できる」か「できない」かという判断は必要である。私達は自由にしていいと言われるとむやみやたらに、チャレンジしていくので本当に命に関わるくらい危険になるかも知れないからだ。しかし、
「実行してマイナスになることはない。」
とあるように、失敗を恐れず何事にも積極的にチャレンジしていくような人になるべきである。

   講評   huzi

 驚きました! まず【2000字】という圧倒的なボリューム、それなのみ最後まですらすらと流れよく読むことができる、話題のおもしろさ。真菜さん、才能あるなぁ!
  項目はすべて◎。【当為の主題】→【方法】と基本を守りつつ、表現の工夫として【名言】、題材には【歴史実例】を取り入れることも無理なくできています。
  自信を持って積極的にものごとに取り組むことが成功への道である。その通りです。では、どのようにすればその姿勢を持つことができる? そこにどんな意見を展開するのが今回のポイントでしたね。
  二つの【方法】は、豊富な体験と【歴史実例】に支えられて説得力十分です。 
 学院祭での台本執筆。あとになって、「これだったら自分がやればよかった」と思った真菜さんの気持ち、わかります。直す点をしっかり聞き入れた友達もえらいね。先生だったら、「だったら最初から自分がやればいいじゃない」なんて言ってしまうかも(笑)。 ゼロから何かを作り上げるのは難しいのに気後れせずにチャレンジした友達。そこで真菜さんが学んだ経験は、きっと今後に生きてくると思います。
 豊臣秀吉の伝記は有名ですね。きっと失うものが少ない出身だからこそ、思い切り自分のやりたいようにできたのだろうと思います。その点で、生まれつき家を背負ったがために幼少時は苦労が多かった徳川家康とは違いますね。今は徳川家康のように、将来の人質にとられている子も多そう。
  【反対意見理解】も◎。私たちは確かに「自由にしていい」と言われたらむやみやたらにチャレンジしてしまいますね。それで失敗することもあります。しかし、効力感を身につけている人は、その失敗さえも自分の糧とできるのですね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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