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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   結果より過程   はなこ

 ボーダーレスなどという微温的弛緩を感じさせる言葉では決して捉えることのできぬ「機械」…。私は、抗すべきこの「機械」について考えながら、ある予言的言説を思い起こした。ヴァレリーは一九世紀末、こんなことを書いている。「方法」が制覇するのだ、と。方法は、個人の自由な裁量権の及ぶ範囲を狭めてゆく。いや、その範囲を限りなくゼロに近づけてゆくことこそが、「方法」の理想なのである。「方法」はあらゆる個人に入り込む。私は方法に抗して、個体性を持ち続けるべきだと思う。
 そのための第一の方法は、マニュアルに頼らないことだ。人には、それぞれあったやり方とあわないやり方があると思う。わざわざ自分にあわないやり方でむりやり物事を覚えようとしてもマイナスになるだけだ。たとえば、古典の助動詞の場合、普通はそのままたくさん使って覚えるのが普通だと思うが、ぼくの場合は自分なりに法則のようなものを作ってそれに従って実際の古文で使うようにしている。
 第二の方法は、結果よりもそこにたどり着くまでの試行錯誤が大切にすることだ。今までの長い歴史の上で、数学などの有名な学者たちで何かを発表するとき、結果だけを発表したような人は誰一人としていない。これは、結果にたどりつくまでの過程が重視されていることの表われだと思う。試験などでも、過程を書かせるような問題が出るのは、勘で結果があたるよりも、結果は間違っていても考え方が近い方が、それから伸びる可能性があるからだと思う。
 確かに、たくさんの人たちが考えた法則などのマニュアルに従っていろいろな物事をこなしていくのは能率を上げる良い方法だと思う。しかし、自分らしさを生かすことも忘れてはいけないと思う。何事も結果が一番大切なのではなく、そこにたどりつくまでの過程が一番大切なのである。

   講評   nara

 5年生の長文課題に「あなたがたはとくと……」というものがあって、その中に「機械は国民性などの特色をなくしていく」というような内容があったよ。その長文では、狭義の「機械」について述べられていたけれど、花子君たちの課題長文は、広義の「機械」ということね。
 機械化・マニュアル化が生むメリットとデメリット、そのメリットだけに光をあててきたのは、戦後から50年間ほどの日本が、「効率」を最優先にしてきたからだ。それは、実は自由経済の行き着く先であり、多くの先進国に共通することなのだね。
 複数の方法も具体例を伴っていてわかりやすい。第2の方法は歴史実例から、試験という体験実例に引き戻しているけれど、第1の方法が具体的な体験実例なので、歴史実例・社会実例でまとめた方が、対比も明らかでよかったのではないかな。
 この作文でなるほどと思ったのは、効率優先ということが、すなわち結果主義であるということを指摘したことだ。個性は結果だけではなく、むしろ、経過により色濃く現れるということだね。久しぶりの作文だけれど、すっきりとまとまっているね。これから、また提出のペースが上がるかな。楽しみにしているよ。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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