創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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価値観の多極化 はるる
ひと昔前までは、よい大学に行きよい企業に就職することが人生において重要なこととされていた。しかしながら、現代では必ずしもその価値観は当てはまらない。よい大学といっても基準は多くあるし、よい企業といえどももう終身雇用の時代は終わった。価値の多極化は私たちを悩ませる。まさに現代社会は浮遊している。私は現在のような社会状況は問題だと思う。
その第一の原因として、先行きが不透明な未来が挙げられる。日本がまだ高度経済成長期にあった時は、これからもっとこの国は良くなる、という希望で溢れていたと思う。けれども、一度バブル経済が崩壊して以来、日本の景気はなかなかよくならない。政治にしても年金問題にしても、私たちを覆うのはただぼんやりとした不安である。何が自分の将来を考えた時によい選択なのか、何を目指せば自分は生きていけるのか。それらは誰にもわからない。私も大学受験の進路を決定するのにとても迷った。偏差値がよい大学はどれかわかっても、何になりたいのかはどうも思い浮かばなかった。そのような学生が今数多く存在している。
第二の原因は自己意識の高まりである。自分は他者とは違う特別なものでありたい、という現代人の心が多くの価値観を生んでいる。一つの大きな流れに乗るのは自分のスタイルにはあわない、私は人とは違った道を目指す。身体的な平和を得ると人間の自己意識、自己の表現の欲求は高まるという。(科学)
確かに一本化された社会と比べると、色々な選択肢がある現代こそ人間がもっとも自己を表現できる社会なのかもしれない。重要なことは、よく吟味し、自我を強固に保ち自分の信じた価値観を貫くことである。(自作名言)よりよい大学、よりよい働く場は自分次第でどうとも変わるものなのだ。
講評 sugi
やや短めだけれど、項目はすべてクリアできたね。がんばりました。
第二段落、高度経済成長の時代とバブルの崩壊を続けて書いたところ、見直してみて、時代が飛躍していることに気付くかな。ここは、もう一工夫できそう。高度経済成長時代の単純な価値観もなければ、バブル時代のお祭りムードの明るさもない今の時代は、もっとも生きがいを見出しにくい時代になっているということかもしれないね。進路を決定すに当たって、偏差値の高低ははっきり分かっても、自分が何になりたいかは分からない。だからなかなか決められない。これは一昔前の価値観とも、明らかに変わってきたということだろうね。
自然科学実例は、興味深い話が入ったね。これは是非もっと詳しい話が聞きたくなります。はるるさんの自己表現の方法についても、興味あります! 最後のまとめは、とても力強いね。こういう文章を読むと、嬉しくなります。
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