創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   他人な自分   れもん

 「何でこの世の中に神様は蜂を創ったのだろう。」これが私の幼い頃の疑問の種の一つだった。その当時の私にとって蜂は世の中で一番怖いものに値するぐらいの恐ろしい昆虫だった。もちろん、もっと広い視野で見れば、自然界には蜂の何倍も怖い生物は存在する。しかし当時、蜂という生物が自分に危害を与える生物の中で一番身近で、あらゆる場面で親しみのある昆虫だった、ということが示されている。また、この疑問から、幼い頃の私が、いかに自分中心、人間中心に物事を考えていたか、ということも浮き彫りになる。つまり、単純に人が何にも脅えず、人の好き勝手に楽にできることが幸福だ、と考えていたということが覗える。このような思考の仕方は、成長しても本能的には心の大半を埋めている感情だと思う。しかし、助け合い、共存していかなくてはならない地球において、人間の自己中心的意識はとても厄介なものである。そのため、私は物事をもっと広い視野で捕らえることが大切だと思う。(是非の主題)
 第一の理由は、一つのことに必要以上に執着せずに、新しい発見があるからだ。真に重要な物事の主役は裏方に廻っていることが多い。例えば一つの映画が賞を取ったとする。そこで表彰されるのは、演技を賞したもので無い限り、その映画で主演した俳優ではなく、製作した監督である。このように、実は、表舞台での透明人間が一番重要な柱となっているのだ。広い視野で見ることにより、新たな本当の金星を見つけることができるのだ。(複数の理由Ⅰ)
 第二の理由は、自分を客観的に見ることにより、自分の意識改革ができるからだ。例えば、電車の中で新聞を広げて読んでいて迷惑だな、と思っていたが、ふと自分を客観的に見つめ直すと、実は自分は同等な、もしくはそれ以上の迷惑を人にかけていてハッとしたという経験はないだろうか。職場での悩みの調査での一位が上司との人間関係であったように、人は本質的に、自分には緩慢で他人には厳格な一面がある。自分に注意をはらう意味でも他人の目線で自分を眺めることは大切である。(データ)(複数の理由Ⅱ)
 確かに、ある程度、自分好きであることは大切だと思う。しかし、自分好きと自己中心的とは別のものであるということを再確認し、いつも自分も他人も多面的に見る感覚を大切にするべきだと思う。「自国に対する賞賛が他国に対する軽蔑によって支えられているのであってはならない。」という名言もあるように、視野を広くし、多くを学び、的確な判断力を見に付けられたとき、自分は今の自分以上の宝物となるだろう。(反対意見)(是非の主題)(名言)
                       

   講評   nara

 学校の授業の一環で「ミミズコンポスト」などを扱っていない場合、長文に書かれていることは理解できても、実感がわかないかもしれないね。そこをどう感想としてまとめていくか。環境問題から離れ、自己の存在を見つめるという方向に展開したのは、れもんさんの力技だなぁ。力があるから、一見長文とは異なるような内容でも、しっかり感想文として成立している。
 その力技は、書き出しの段落から爆発しているね。蜂の話がどうつながるかと思いながら読み進めると、「自己中心的な思考」へ展開していった。そして、それは、まとめの「自分好きと自己中心的とは別のもの」という主題の再提示にしっかりとつなげている。このあたりのうまさには感心するよ。
 複数の理由はどちらもいいけれど、特に第1理由がいい。第2理由は、常識的なわかりやすい意見だけれど、第1理由にはれもんさん独自の視点がある。「真の主役は裏方に回る」というフレーズは、このまま自作名言にしたいくらいだね。
 判断力を見に付けられたとき → 身に付け
 11月もいいスタート。今は「作文収穫期」かな。10月中旬から絶好調が続いているね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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