創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   実用を超えた創造   えうあ

 我々は普段、言葉を伝達の手段として使っている。意志を伝えるための言葉を選び、伝える。適切に言葉を伝えるために、場合によって非常に神経を使うこともあるが、言葉を伝達の手段として用いることは、あまりに当たり前であり、特別な意識はない。しかし、詩を作る場合において、言葉は、実用ではなく、創造の役割を担う。普段使っている言葉にとらわれることなく、詩的な言葉は新しい世界、新しい経験を人々に与える。これを通常の仕事にあてはめて考えた時、同じことが言えることに気がついた。
 同じ業務に就いて長い間経過すると、過去の事例から、定型やプロセスを元に行い、無意識に失敗しないと思われる安全な方策をとる傾向があるように思われる。そして、その枠組みの中で行った仕事に満足している自分がいる。自分が責任を持って行った仕事の質が決して悪いわけではない、基礎となるプロセスにのっとって行われた決して恥ずかしくない仕事の内容ではある。しかし、基礎に忠実である、それ以上でもそれ以下でもない。同じことを長い間続けていると、次第に新鮮さはなくなり、マンネリしてくる傾向にあるであろう。するとおのずと、慣れた業務は楽だけれど、楽しいとは思わなくなってしまう。
 実用面、効率面だけに向けられた視点を、ほんの少し、創造面から眺めてみるとどうだろうか。定型と思っていた業務に新しい発見はないだろうか。新しい工夫はできないだろうか。そんな風に少し見方を変えることで、慣れている仕事自体、新鮮に映ってくるかもしれない。万が一、そこに創造を見出すことが出来れば、幸運であろう。通常の枠を超え、新しい何かを生み出すことは、苦痛も伴うであろう。創造は、そんなにたやすく成し遂げられるものではないのだ。なぜもっと楽な道を選ばないのか。と自問自答することもあるかもしれない。しかし、人間は、常に進歩を求める生き物であるゆえに、同じところにとどまって、興味を持ち続けることは難しい。
 確かに仕事を進める上で、確立したプロセスに従って実施することは、大きな失敗を避けるために、必要である。また、専門家として、プロセスや基礎の枠組みを知ることは必須だといえる。しかし、その枠組みにとらわれて、視野をせばめてしまうようなことは避けなくてはならない。基本となる知識を基盤として、新しい手法や工夫を取り入れることに勇気を持って挑戦していきたいと、私は思う。仕事に一番必要なのは基本に忠実であることに固執することではなく、勇気と情熱を持って基本の枠組みを超えて、新しい何かに挑戦することである。

   講評   nane

 確かに、仕事の型が決まってくると危なげがないが面白みもないという仕事になりがちですね。かと言って、仕事自体を楽しむという余裕は、普段の仕事にはなかなかありません。芸術家や研究職のようにある程度自分のペースでやる仕事であれば、いろいろな実験もできるのでしょうが、通常の社会人はそこまでの余裕は持ちにくいと思います。
 説明の部分が多くなったので、森リンの点数が少し低めになってしまいました。説明のところを具体的なエピソードで補っていくと、更に面白い文章になると思います。将棋の升田幸三は、「新手一生」を旗印に定跡をくつがえすような手を指したそうです。数学の勉強なども、本当に好きな人は、自分で解法を考えるというところに面白さを感じるようです。
 結びの「仕事に必要なのは……」は、名言の形になっていますが、意外性が少ないので、もうひとひねり。
 自分の問題として考える姿勢は、貴重です。これからも、実践につながるような作文を書いていってください。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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