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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   成長   はなこ

 およそ人間として成長するためには、絶えず現在の自分の生き方を恥じることが必要であろう。自らを恥じるとは、自らを客観視する別の眼をもち得ることである。現在の環境に埋没することなく、つまり現在の職業や地位に腰を据えてしまうことなしに、自分の新
たな可能性を絶えず開拓しようとする気魄をもち続けること、このことこそが、およそ道を求める者の——社会人たると宗教者たるとを問わず——もっとも基本的な要件であろう。人間として成長するためには、常に自分のことを見直しながら、恥をかきながら生きる必要がある。
 そのための第一の方法は、自分が何かで、良い結果を得ても満足しないことだ。僕も昔、テストでよい点をとった後は、まわりから褒められ、安心して、なかなか次の範囲の勉強を始めることが出来ずに、順位が下がりその次のテストでは、反省して勉強をしっかりとするということがよくあった。このように、自分に厳しくすることによって、色々な物事にまじめに取り組むことが出来、人間として成長することが出来ると思う。
 第二の方法は、自分の世界に入らずに、つねに周りに対して意識をもつことだ。江戸時代、日本は鎖国をしていたために、周りの国々と戦う必要がないためかもしれないが、周りの国々から新しい技術などが入って来ずに、遅れをとってしまった。(歴史実例)これは、日常の生活でも言えることだと思う。試験などで、比較する人達がいなかったら、試験の成績は確実に下がると思う。
 確かに生き抜きは必要だ。自分に満足していれば、ストレスがたまることはないし、上を目指し続けていると、疲れてしまいやる気がなくなって、逆効果になってしまうこともあるかもしれない。しかし、一番大切なことは、確実に成長することである。人間とは、現状維持し続けるものではなく、確実に成長しなければいけないものである。

   講評   nara

 おっと、決めの段落「確かに生き抜きは必要だ。」は、「息抜き」だね。単純な変換ミスではあるけれど、意味がかなり変わってしまう。(そして、それでも意味が通じかねないところが、変換ミスも侮れない。)「生き抜いていくためには、自分を甘やかし、今に満足してストレスをためない……云々」とかね。(笑)
 作文の最初に、長文から重要なところを抜き出してくれたね。非常に厳しい決意のこもった文章だ。求道者とは、こういう研ぎ澄まされた厳しさを持たねばならぬとすれば、その鋭さは、外ににじみ出るほどのものだというのが、筆者の考え方なのだろうね。
 第1理由は、表現を変えれば、「100点を存在しないものととらえる」ということかもね。100点満点→満足→これでいい、と思うからね。それ以前に「いやぁ、100点なんてとてもとても。70点でオッケーで〜す。」という人もいるかもしれないけれど、こういう人にはどうアプローチすればいいだろう。それも考えてみてね。
 第2理由は相対評価と関連がありそうだね。比較の対象がいればこそ、そして、その対象が上だからこそ、成立するスタンスだ。この考え方は、視線が外に向いている。この先には、「人がどうあろうとも、私としてなすべきことは何か」という内側に向く視線も必要になってくるのではないだろうか。おそらくは、外向き・内向き、どちらか一方だけでは到達し得ないところが存在するのだろうね。
 最終段落を読んで感じたのは、「疲れてしまいやる気がなくなる」という逆効果は、どういうときに生まれるのか。自らが見えないままに、目指すべき「上」を設定してしまったときではないだろうか。確実に成長するためには、自らをよく知る必要もあると思うよ。

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