国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2566 今日1825 合計4391
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   人間の知性、鯨や象の知性   こめ

 人間が彼らに何かを教えようとすると、彼らの理解能力は驚くべき速さだそうだけれども、同時に、彼らもまた人間に何かを教えようとする。鯨や象が高度な「知性」を持っていることは、たぶん間違いない事実だ。しかし、その「受容性」の「知性」は、人間の「攻撃性」の「知性」とは大きく違うものだ。鯨や象は、この自然の持つ無限に多様で複雑な営みを、できるだけ繊細に理解し、それに適応して生きるために、その高度な「知性」を使っている。
 私は、今の人間の知性は自分たちを繁栄させる代わりに大規模な環境破壊をしてしまうという問題点があると思う。だから、鯨や象の知性に学ぶべき点は学ぶべきである。そのためには、どうすればよいか。
 第一の方法としては、全ての物事に攻撃的にあたるのではなく、ときには受容的にあたることである。現在でも、イラクをはじめ世界中で戦争や紛争が起こっていて、その犠牲者も限りない。世界で争いが絶えないのは、物事に攻撃的にあたっているからだ。例えば、アメリカは仲の悪い国に対してすぐに攻撃的な姿勢をとることが多く、ゆえに戦争につながることがある。たとえ仲が悪い人でも、受容的にあたればすぐに喧嘩が始まることはない。攻撃姿勢をとるからこそ喧嘩が始まるのだ。
 第二の方法としては、かつて人類が鯨や象と同じように自然と調和しているいわゆる「受容的」な知性を持って生きていた時代を再評価することだ。狩猟採集のみで生活する時代、日本の歴史上では縄文時代以前のことであるが、その時は鯨や象のように自然と調和する知性を持っていた。その時代では、村の人が協力し合って食料を狩猟・採集し、それを誰かが独り占めすることなく食べていた。また、争いごとはあまり起こらなかった。米作が始まると、それが一変し、豪族と呼ばれる人が税として米などの作物をとった。また、領地をめぐってよく争いが起こるようになった。その時には既に攻撃的な知性に変わっていたと言って良い。攻撃的な知性は、狩猟採集という厳しい生活の中では生まれない。だからと言って、今の人類は狩猟採集生活にしろというわけではないのだが・・・。
 確かに、ときには攻撃的になることも必要である。しかし、攻撃姿勢を使い過ぎることによって環境破壊や大戦争を引き起こし、地球にいる人間を含めた全ての生命に危機をもたらしている。今の攻撃的な知性のままでは、地球を破滅に追い込む恐れがある。だから、受容的な知性を持っている鯨や象の知性に学ぶべき点は学ぶべきである。

   講評   kamono


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)