創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然と仲良くねっ☆   スピカ☆

 「桃太郎」にあるような日本人にとっての原風景とは、森林と川に囲まれた扇状地の集落だ。気候が湿潤であるため豊かな森林と川に恵まれた日本では、住民の生活は森と川の恩恵のもとに営まれた。里山は生活資源を提供し、また、川は良質な生活用水を提供してきた。日本人の里山の利用には、いわば縄文時代以来の伝統ともいうべき多様な摘み採り行為が含まれていた。また、自然への畏敬の象徴として、集落一帯の環境保全の急所ともいえる場所に鎮守の森があった。これは、信仰の場であると同時に保存林にもあたる聖域でもあった。
 私の住んでいるところは、桃太郎に出てくるようなところだ。家の目の前には川があり、すぐ近くには山がある。私は、その山にわらびやたらの芽などの山菜を採りに行く。それは、「摘み取り」で、行われる。根こそぎ採っていく、ということはしない。例えば、ヨーロッパで、
「わらびが食べたい!」
という人が出たとする。たぶん、その人は山へ採りに行かずに、自分の家で栽培して、それを根こそぎ採って、売ったり食べたりするだろう。日本では、そのようなことはしない。「摘み取り」だから全部採らない。少しは残しておくのだ。
 神社の周りには、木がいっぱいある。なぜいっぱいあるのか。反対にして、なぜ、木がいっぱいあるところに、神社があるのか、としてみる。昔の人は、木を、残しておこうと考え、神社を建てたのだ。アメリカやヨーロッパのほうは、自然征服をしていると聞いたが、日本は、正反対である。自然を大切にしているのだ。その理由として、宗教のことも言えるだろう。西洋の宗教は、排他的な一神数で、日本の宗教は、多神数なのだ。多神数ということは、山や、川などの地上のありとあらゆるものに神が宿っていると考えていたのだ。だからこそ、このように、自然を大切にすることができたのだろう。
人間にとって、自然とはこの先ずっとずっと未来まで、仲良く、大切にしていかなければいけないものだ。そのためには、ひとりひとりが、自覚を持たないと、いけないとおもう。「自然を大切にしよう!」という言葉があるが、わたしは、まず、友達と同じように自然と仲良くなったほうが、いいと思う。仲良くなれば、しぜんと、大切にする人が増えてくると思う。

   講評   takeko

自然と人間というテーマはこれからもいろいろなところでくりかえされると思います。その中で、日本ならではの自然として愛されなければならないとよく出てくるのが「里山」ということばと「鎮守の森」ということばです。先生は都会に住んでいるのですが、神社の小さい木の植え場にも「生田の森」という立て札が立っていて、思わず心がなごみますね。C.W.ニコルという人のエッセイに、「ウェールズでは子どもは森の中から自分の友達の木を1本えらび、悩みなどあるとその木に伝えにいく」というのがあって、いいなあと思いました。都会ではそんな「友達の木」はなかなか作られませんからね。以上は、スピカ☆さんの作文を読んで先生が感じたことです。「日本では、そのようなことはしない。「摘み取り」だから全部採らない。少しは残しておくのだ。」これは、いい文ですね。人の知らないような情報を伝えています。今回表現の課題は「たとえ」のほうを使っていますが、進級テストでは「ことわざ」も入れよう。今回だと「6.アリの穴からつつみがくずれる」「79.急いてはことをしそんじる」などが、自然は急速に破壊したらもとにもどすのはたいへんということとつなげて使えそうです。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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