国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日4215 今日1761 合計61536
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   人生の過ごし方   ポテチ

 「ああすれば、こうなる」型の社会では、さらに違った側面が現れる。その一つは、時間の変質である。頭の中では、時間は過去、現在、未来に三分割される。ところが、時間直線の上の一点に過ぎない。それはただちに未来から過去へと繰り込まれる、時の瞬間に過ぎないのである。それなら未来とはなにか。本来の未来とは、なにが起こるかわからない「ああすれば、こうなる」で拘束されていない時間である。現代の東京には、物語『モモ』に出てくる灰色の服を着て黒い鞄をもった時間泥棒たちが沢山いる。かれらの最大の被害者たちは、「漠然とした、定まらない未来」だけを財産としている子どもたちなのである。私は未来の為に今を過ごすのではなく、今のために今を過ごしていくほうがいいと思う。
 その理由の一つに、今でないと出来ないことが沢山あるからだ。例えば幼い頃のあそびなんかが挙げられる。幼稚園の頃の遊びを中学生になった今やれといわれても、恥ずかしくてできないし、第一つまらない。幼稚園の年齢だったからこそ楽しめた遊びだと思う。同じように中学生の今だからこそできることもあると思う。実際にお母さんがバスケをしたり、音楽を聴いたりしているところをみたことがない。それはお母さんが楽しいと思わなくなっているからである。その年齢によって楽しむことが変わってしまうし、年を取ってしまうと体力がなくなりできなくなることもある。だから今を思いっきり楽しむことで、色々な経験や思い出ができると思う。
 もう一つの理由に将来の為に今を犠牲にしてもつまらないだけだからだ。クラレの一九九七年のデータによると、親が子供に望む職業は、男の子の一位が公務員で、女の子の一位が教師となっている。親は子供が産まれると同時に色々なことを望むであろう。入学する小学校、合格する中学校、高校、大学、そして子供がなる職業まで望み、期待するだろう。そして親は子供に勉強をさせる。親は将来のためというが、果たして本当に子供のためになっているのだろうか。確かに希望した学校に受かり、望んでいた職業に就くことができるかもしれない。しかしその子供が大人になり、ふと青春時代を思い出した時に思いつくのは、参考書の文字以外に何もないと思う。そんな一生を過ごすのだったら、例えなりたかった職業に就けなくても思い出のたくさん詰まった生き方をしたいと思う。
 将来のことを考えているのもいいことだと思う。しかし「今日という日は、明日という日の二日分ある。」という名言のように今日を大切に過ごし、大人になって振り返った時に満足できるような人生を過ごしていきたいと思う。

   講評   inoro


 こんにちは、愛美ちゃん。第2・第3段落がさらに充実しており、素晴らしい作品になったね!
【第段落】⇒要約が毎回、非常に的確です。意見を“私は未来の為に今を過ごすのではなく、今のために今を過ごしていくほうがいいと思う。(●是非の主題)”と、まとめることができていますね。長文を読むこと自体が、とても勉強になるね。
【第段落】⇒「●複数の理由一」として、今でないとできないことがたくさんあるから、なのだと。確かに幼稚園の頃の遊びを中学生になって今やれと言われても、なぜかできないものですよね。“お母さんがバスケをしたり、音楽を聴いたりしているところをみたことがない。”には、納得! 「今」の中に、最良の経験ができるチャンスは「在る」のですね。「◎体験実例」が素晴らしいです。
【第段落】⇒「●理由二」は将来のために今を犠牲にしてもつまらない、のだと。今回の作文では、“クラレの一九九七年のデータによると、親が子供に望む職業は、男の子の一位が公務員で、女の子の一位が教師となっている。”、を「●データ実例」として、入れられました。なるほど、「自分が望む」のではなく、「親が子どもに望む」、という着眼点もいいですね。自分で自分の将来についてがんばることは良いと思いますが、他者からの期待によって、当人の「今」が使われてしまうとしたら、「犠牲」とも言えます。愛美さんのデータの選択眼、とてもいいですね!
【第段落】⇒反対意見への理解も示すことができました。
愛美さんは、“思い出のたくさん詰まった生き方をしたいと思う”のですね。なかなか、難しいテーマでしたが、よくまとめてありました。名言「今日という日は、明日という日の二日分ある。」も入りました。長文を通して、「今を大事にして過ごすとは?」、と考えることができたら意義深いね。たいへんよくできました!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)