国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「和を以て尊しとなし」   JR倒壊

 最近までも減ることなく新聞をにぎわしている問題として、役得という現象がある。役得というのは、ある地位についていることによって得られる利益で、しかも公式には承認されていないものを指す言葉である。ここでの問題は他人の財産の管理に当たる人が、私的にその財産を消費することだ。戦時中の「公物と思う心が既に敵」という言葉がしめすように、人は他人の物は無駄に使うようだ。やはり役得文化は問題だ。しかし、これをあまりに批判しすぎ排除していくと、日本古来の和を尊ぶ精神が無くなり相互扶助などをしなくなり、人間関係を希薄で冷たいものにしてしまう可能性がある。このことが問題だ。
 この問題を防ぐための対策の一つとしては、役得が許される範囲を議論し、公開していくことが挙げられる。例えば今までは、郵便局の局長というのは世襲に近かった。局長の就職試験の日にちというのは一般には公開されない。しかも、その試験の合否いうものが周辺の郵便局局長での話し合いで決まるらしいのだ。結果として世襲になっている。これは、役得の範囲としていきすぎだ。郵便局の局長として許されるのはせいぜい、自分の郵便物を他人より少し早く届けることぐらいな物だろう。だから、世襲をやめて幅広く民間からも人間の登用をして欲しい。
 もう一つの対策は、役得が固定化しないように人材を流動化することだ。各省庁に勤めている役人は入ったら定年退職するまでの何十年もの間、同じ省庁に勤める。その結果、新聞をにぎわすような様々な癒着や怠慢や無駄遣いをしている。これは全部彼らが同じ場所にいるせいで起こるのだ。これを無くすために、人事異動を一定の期間で行い、しかも前の省庁と違う省庁に移動させることを行って欲しい。例えば、国土交通省の役人が経済産業省に、財務省の人間が厚生労働省に移動するといった具合にだ。そうすれば風通しがかなり良くなり結果として癒着などがなくなるだろう。
 確かに、役得の生きすぎはは人々のやる気をそぎ、職の腐敗を進め、市場を不活性化することになるので無くさなければならない。一方、あまりにクリーンにしすぎると人間関係がギクシャクし、冷たい社会になる恐れがある。しかし、聖徳太子が「和を以て尊しとなし人と争う事なきを旨とせよ」といっているように、日本人は古来から和を重んじる民族だ。だから、役得が行き過ぎないように役人を監視しながらも、ある程度は認めていくべきだ。

   講評   kira

 JR倒壊くん、こんにちは。なるほど聖徳太子の御世からやさしくもあいまいな日本の姿があったんだね。偉い人は時代をはるかに見通していたのか。
 1000文字の長文を書ききった力量はさすがですね。まとめの文章の切り口も的確でうまい。しかし、どういうわけか自作名言になってなかった。惜しい。そこだけが惜しまれますね。
 役得の事例では「郵便局長」があがりました。世襲とはびっくり。コネコネなんですね。そういえば「特定郵便局」とやらいうのがあるんだよね。これって普通の家庭にお願いしているような感じのところもありますね。そうなると本当に世襲だね。山奥の過疎の地区の場合そうせざるを得ないものがあるのでしょうが、もはや開発されてふつうの町なのに、その形が残ってるような場合もありそう。
 省庁の風通しをよくしようという三段落はうまい。日ごろから話題に事欠かない議題であるだけにすらすら書けたのではないでしょうか。
 まとめでは「和を以て尊しとなし人と争う事なきを旨とせよ」をもじってでも自作名言をつくってみるとよかったね。
 内容的には合格。しかし厳密にキーワードが足りなくて、次回に期待! です。
   
 

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