低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日2426 今日1699 合計54035
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   特許と現代社会   ほり内

 著作権や特許とは非常に重要なものであり、またそれを巡るトラブルは新聞でも、また、新聞でかかれていないところでも騒がれている。著作権が最近注目されてきた事件は、やはり、「Winny」の開発者が逮捕されたという事件だろう。「Winny」とは、普通に売っている音楽や、ゲーム、映画などを無料で交換してしまおうというソフトである。(説明しなくても普通に分かる人がいると思うが(笑))このソフトでかなりの音楽や映像などの知的財産が色々なところに流出しただろう。このような出来事というのは、音楽を作った人たちのやる気を減退させるものでもあるし、音楽に見立ててウィルスを流そうとする人たちも現れるので、良くないだろう。しかし、特許が、逆に使っている人たちの負担になることがある。音楽の著作権を扱う団体で、JASRACというところがある。この団体は、ホームページや、カフェなどで音楽を流すと、その音楽がJASRACによって保護されていたら、運営している人がJASRACに、著作権料を払うことによって、その音楽を流すことができるのだが、あるときネットサーフィンをしていた時にこんな内容の記事を見つけた。ある人がひいきにしていたジャズ喫茶があったのだが、そこではコルトレーンという音楽を流していた。しかし、JASRACはコルトレーンを流していたジャズ喫茶に法外な値段の著作権料を請求したのである。そして結局ジャズ喫茶は残念なことになくなってしまった。このように、著作権や特許は製作者の意欲を守り立てるというメリットに対して、反面、それを使っている人々の障害になってしまうというデメリットを持っている。最近の社会はこのデメリットに目をつぶり、メリットのほうだけに目を向けてしまい、特許や著作権の氾濫が起こっているように思える。
 私はこのような特許や著作権の氾濫が日本の社会の問題になっていると思う。
 この原因は第一に、日本が、これまでの歴史の中で、何かを作るということに関する権利というものが無視されてきた点にあると思う。今日の長文の説明の時に、先生から平賀源内のことを聞かされた。平賀源内が街の人燃えない家を作ろうと提案していたのだが、奉行所などは、この画期的な発明に対してやめるように圧力をかけた。これは、当時家事の時に家を壊して火事の被害を最小限にとどめる仕事をしていた火消しをやっていた人々の仕事がなくなってしまうから、圧力をかけたのである。このように、日本人は基本的に何かが変わると、その変わるということを受け入れずに、抵抗しようとする民族らしい。これは、幕末の頃の情勢を見ると明らかである。新政府が、これからは海外だと、頑張って、日本を変えようと努力をしていたが、幕府はこれを認めず、新撰組のような軍隊などを使って徹底的に抵抗をした。コレは、もしかすると日本人特有の感情から発した戦いなのかもしれない。
 また、今日のIT技術の発展により、一つ発明を特許なしに公開すると、インターネットなどで一気に世界中に広がってしまうので、何か発明するたびに特許をつくらなければならないという状況も原因の一つであると思う。
 確かに、特許によって模倣する人に対する障壁をつくるというメリットがある。しかし、特許によって、その商品を使っている人たちにとって思わぬ拘束を招くことがあるということを忘れてはならない。特許は拘束するものではなく、模倣するのを防ぐものなのだから。

   講評   unagi

 今週は進級試験でした。お疲れさまでした。
 <第1段落>実例の扱いが的確です。Winny、ジャズ喫茶とも好例です。長年の固定ファンに支えられ、細々と経営してきたジャズ喫茶にとっては、死刑宣告となんら変わらないでしょう。
 <第2段落>社会問題「特許や著作権の氾濫」
 <第3段落>原因①「変化を受け入れない民族性」:新発明への幕府による圧力、新撰組を例に挙げ、日本国民に根づく性質を説明しています。我々は、変化・開発に不慣れであるということですね。そこで西洋式の特許などというシステムを取り入れた結果、2段落目に挙げたような現象が起きたということですね。ひとこと加えておくとさらに分かりやすくなるでしょう。
 <第4段落>原因②「インターネットは歯止めが効かない」:ここでは、特許・著作権の制度もまたやむを得ないことを説明しています。原因①②とも、題材の取り上げかたが適切ですね。
 <第5段落>反対意見への理解に続き、まとめに入ります。自作名言「特許は拘束するものではなく・・・」よくできています。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)