低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日2569 今日1456 合計4069
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   心を込めた料理は美味しい!    くらりねっと

 「これ、美味しいねっ。」
私が美味しいものを食べたときの口癖だ。美味しい物を食べたら、このことばがふっと出てきてしまう。たとえ言いたくなくても、わがままな私の口がぱくぱく動いてしまう(笑)。
 この前、調理実習をやった。作る料理は、「ごはん」「みそしる」、そしておかずの「ウインナー」。時間は、食べる時間も含めて、約一時間半。これは手際よくやらないと! ご飯はもう水につけてあるので、みそ汁に使う具を切り始めた。具は、ジャガイモと葱。少ないけれども、これで良い。さて、ジャガイモは同じ班の愛実(友達)とヤギ(ある男子のあだ名)に任せて、私は葱を切り始めた。ところが・・・・・・・。なんて私は不器用なんだろう! 葱がばらばらになって、切れない(泣)。愛実とヤギはとても上手くジャガイモの皮をむいているのに。班員のもう一人のホソ(これもある男子のあだ名)だって、きっと私ほど不器用じゃないだろう。そこに見かねたヤギが、私の包丁をひったくって、
「おまえ不器用だな。」
と言った。この言葉は私の心に響いた。まるで短剣で胸を刺されたように、私の心にぐさりとこの言葉がささった。でもボーイスカウトに入っているヤギには、料理の腕は及ばない。
「サクサクサクサク」
あまりの器用さに、私は空中に十センチは飛び上がれそうな程驚いた。そして野菜を切り終わり、だしをとって、ご飯を火にかけた。そしてみそ汁も火にかけようとしたその時。何か焦げ臭いにおいがした。私は鼻だけは器用(器用というのか?)なので、真っ先に気づいた。その直後、ヤギが気づいた。
「あれー、なんか焦げ臭くない? もしかすると俺らのとこから? 」
と言ったのだが、ホソが、
「そうか? 」
との返事。それでみんなでかわるがわるにおいをかいでみたが、やはり私達から焦げ臭いにおいはしないようだ。けれどもヤギが蓋をあけようとしていた。私は思わず
「蓋、あけちゃだめぇぇぇぇ!!!! 」
と怒鳴っていた。・・・・・・ところで、何故私は蓋を開けてはいけないと言ったのだろうか。答は簡単、私の家には炊飯器がないから。私の家はご飯を炊くときに鍋を使用しているのだ。ご飯を炊いているときに蓋をあけてはいけない、あけたらまずくなる、と母から聞いたことがあるので、それを思い出してつい怒鳴ってしまったのだ。・・・・・・話をもとに戻そう。結局、焦げ臭いにおいの放出班(?)は、私達の隣の班だった。けれども、被害は少なかったらしい。良かった良かった。そしてみそ汁も火にかけはじめた。と同時に、おかずのウインナーも焼き始めた。でもみんなのが混ざると嫌という意見が多かったので、私達は、各自で切り刻んで各自で焼くという方式にした。けれども、愛実のウインナーと私のウインナーの本数がやや多かったので、それを・・・・・・みそ汁の中に入れることにした。そしてご飯もみそ汁もウインナーも完璧に出来て、調理終了。
「いただきまーす! 」
私はまずごはんをぱくっと食べた。かたくもなく、やわらかくもなく、美味しかった。みんなで顔を見合わせて、
「美味しい」
と言ってしまったほどだった。そして気になるウインナー入りのみそ汁。意外に美味しかった。ただ、だしがにぼしではなくて、ウインナーのだしになっていた(笑)。そしてウインナー。美味しかったけど、脂っこかった。全体でも、超美味しい! みんなで協力して作ったので、その分一段と美味しく感じられたのかもしれない。ヤギとホソは、おかわりもした。と、幸せの時間もつかの間。このすぐ後に、給食が待っていた。もう食べられない・・・。けれども私達のクラスは、「よく食べて超元気(?!)」で有名なだけあって、男子は給食も普通に食べていた。ただし、いつものように他のクラスに給食の余りをもらいにいく事はなかった。そしてホソやヤギたちの男子の半分程度が腹痛を起こしたのは言うまでもない・・・。私にとっては、最高の調理実習だったが、一部の人には最悪の調理実習だったのかもしれない。
 さて、この調理実習のおいしさとは裏腹に、超不味かったときもある。家で食べた八宝菜だ。私は八宝菜の見た目も嫌いなので、夕食に八宝菜が出たときは、寿命が一時間縮まるかと思う(笑)。味なんて言葉で言い表せない。ぐにゃっとした、ぶちゃっとした・・・(八宝菜が好きな人に申し訳ない言い方(苦笑))。ところで、何故私が嫌いな八宝菜を母はわざわざ作ってくれるのだろうか・・・。栄養の偏りとか、そういう事ではない。私の好きな食べ物と妹の好きな食べ物が、食い違っているからである。例えば、私が好きなトマトが妹は嫌い、妹が好きなキノコが私は嫌い・・・などと、無数(?!)にある。その為に、どちらかの嫌いな料理が出ることが稀にある。それが、八宝菜だ。そして地獄の夕食の時間。私は椎茸をよけて、肉とかイカとかしか食べない。白菜も少しだけ・・・。こういうときに限って、時間は早く過ぎてくれない。一分一秒でも八宝菜から離れていたいのに・・・!! そしておかずを全て食べて、八宝菜だけ残している私を見て、母がとうとう、
「残していいよ。」
と言ってくれた。せっかく母が心を込めて作ってくれた八宝菜だが、絶対に食べられない。やはり、嫌いな食べ物は嫌いだ。食べられないものは、食べられない!! 
 人間にとって、料理とは、心がこもっているのが一番美味しいと思う。やけくそに作られても、美味しくない。たとえ失敗したとしても、「失敗は成功の元」というように、必ず成功するのだから、やはり心を込めることが一番大事だ。調理実習でも、みんなが協力して作ったので、一倍と美味しく感じられたのかもしれない。
「これ、美味しいねっ。」(書き出しの結び)
この言葉を、一生のうちに百万回以上は言いたい。


   講評   kiri

 

 こんにちは。今回は進級テストでした。
 課題の「おいしかったこと、まずかったこと」で作文を書くことができたね。

<表現> 今の男の子は、料理も上手なんだね。びっくりしました。器用な男の子に「不器用」といわれたらたしかに、ちょっとこわい表現ではあるけれど、「まるで短剣で胸を刺されたように」心に突き刺さるね。ことわざも作文の最後に上手に入れたね。料理に関しては、特に「失敗は成功のもと」といえることが多いかもしれないね。
<題材> 「聞いた話」はお母さんに聞いた、お米をたく時のポイントが書けたね。お母さんのことばが思わぬところで役に立ったね。
<主題> 「人間にとって料理とは...」というまとめは「おいしいもの」の体験例に限ったまとめになってしまったね。「心がこもっているのが一番美味しい」というのはたしかにそうだけど、八宝菜の体験例には当てはまらないよね。「おいしい、まずいは、個人個人の好みにまかせるとして、心をこめて作ることが大事」というまとめ方すると、どちらの体験例もいきてくるよ。
<構成> 「書き出しの結び」はうまくできたね。最後の一行が光っていたよ。

 字数も十分。キーワードも全部入って、文句なしに合格です。がんばったね。
                    

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)