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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   楽に生きたい…   しっぽ

 嫌いな音楽、苦手な水泳などに対し、ある日突然、全く逆の考えを持つようになることがある。このように体全体を使うものだけでなく、理性や感情に訴えかける読書も同様である。これがまさに「一瞬の閃きによる理解」である。このように物事の全体像を掴むためには、ある程度の時間と試行錯誤との蓄積が必要である。現代の人はこういった時間をもっと大切にするべきだ。
 まず、その第一の方法に、難しい課題にも、諦めずに最後まで取り組む、ということである。私は数学が苦手だ。数字や、難解な文字式を見ると、吐き気を催す時さえある。中でも最近一番ひどかったのが、数学Bの単元、数列だ。授業でΣという記号を目にしてから、数学Bから逃げるようになった。複利計算、漸化式、隣接三項間…と、テスト前に理解すべきものは、すでに私の手に負えるものではなくなっていた。当然テストは悪く、次回のテストでも、わからないものをそのまま引きずりそうだった。しかし、単位を落とす危機から脱するため、私はやっと勉強を始めた。今までとった遅れは相当なものだった。もうやめたいと思った。しかし、やっているうちに、いつも上の空だった授業もわかるようになり、自分がちゃんと授業に参加している、という実感が湧いた。今、私は数学Bが結構好きだ。もし、あの時諦めていたら、今頃、毎日が先生との面談の日々だったかもしれない。(体験)
 また、第二の方法に、即効性ばかりを求める現代社会の風潮を改める、ということだ。今よく使われる慣用句とは、「終わり良ければ全てよし」だ。しかし、「石の上にも三年」という表現は滅多に聞くことがない。歴史を見てみると、仏陀は菩提樹の下に何年も座り、悟りを開いたという。ひたすら座り続ける仏陀の像を見たことがあるだろうか。もうほとんど骨と皮になっていても、背筋を伸ばして瞑想しているのである。現代において、富を蓄え、名声を高める最も手っ取り早い方法としては、やはり、早く良い結果を出すということである。忙しい毎日に疲れたら、ゆっくり時間をとって、色々なことに思いを巡らせてみると、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれない。
 確かに、現代、何事も効率良く物事をこなすということが勝負の分かれ目になってくる。しかし、大通りを小走りにせかせか行く人、朝、ドアに挟まってでも電車に乗る人、夕方、電車で死んだように眠る人などを見ていると、私は世の中が恨めしくなる。少し肩の力を抜いて、楽に構えていれば、意外と簡単に世の中を渡っていけるかもしれない。生きる上で一番重要なことは、為したものの質ではなく、時間の密度ではないだろうか。そんなことを考えると、気のせいか、これから歩む道が輝いて見える。

   講評   nane

 冒頭の意見の焦点が絞られているね。
 数学Bの話は、共感できる実例。数学というのは、特にそういう教科だからね。つい理屈でわかればそれでおしまいのような気がしてしまうのが数学の特徴。教科書などの説明を見ていると、単純なことしか書いていないけど、実際の問題を解く力は、問題を繰り返して解く中でしか身につかない。何度も反復する中で解き方の流れが見えてくる。
 現代の風潮の例もよく書けている。現代は、黙って座っていればおのずからわかるということではやっていけない時代だけど、物事の中には、理屈ではなく時間をかけることによってしか理解できないものも多いからね。
 そのうち、大学に行けば、自分の好きなことにじっくり取り組めると思うよ。
 名言の「為したものの質ではなく、時間の密度では……」は、ちょっとわかりにくいかなあ。書き出しの意見との一致を考えて、もう一工夫。
 文章全体はよく書けていて93点。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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