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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   本当の豊かさとは   たこ焼き


 現代社会に於いて、不自由な事は何一つ見あたらないように思える。今回のスマトラ沖地震の情報等がその具体例のように、世界中の情報を素早くキャッチすることができる。スマトラ沖地震と言えば、タイの観光地プーケットやスリランカ、モルディブ等の被害がとても大きかった。日本からインド洋に行くには、サイパン島に3時間を費やすため、タイに行くのだけにも最低5時間ぐらいはかかるのではないだろうか。そんな異国の情報を素晴らしいほど早く(笑)手に入れることができたのは、やはり身の回りの様子が以前と比べ、大幅に変化からではないだろうか。
 また、私は昨年の夏に今回のスマトラ沖地震の被害区域に近いパラオ共和国に行く機会を得た。親との家族旅行ではなく、全国の小五から中2の子供達と共に行った中で、無人島に泊まるというプログラムがあった。無人島とは言葉の通り、無論言うまでもないが人は誰一人と住みついていない。また、快適設備などはもっての他で、その島には唯一ロッジとトイレは設けられていたが、何一つと他にはなかった。今思うと、まるで一昔前の生活に戻された感じだった。
無人島での二泊三日を通し、日本はとても物質に恵まれた国だと改めて思った。今、私が使っているパソコンも近くで父が弄っている(笑)TVの機械類、電話や洗濯機、冷蔵庫と言った物はとても言葉で表すには少し難しい気がするが、一言で簡単に言うとしたら「便利」である。洗濯機と言えば、寒い冬も外に出て、冷たい水に手を突っ込み、苦労しながら洗っていたのが、少し前の時代である。私達の祖父母の子供時代でもあった。電話と言えば、江戸時代は飛脚が休まず走って届け、明治時代は電報を打って伝えた。あの有名な日露戦争で、バルチック艦隊を最初に発見した信濃丸が発した「敵艦隊見ゆ」の無電は、対馬に停泊中の第三艦隊旗艦厳島から鎮海湾の三笠あて、午前五時五分に中継電報された。すでに暗号が決められていた。タの字をつづけさまに七度打つのである。これが有名な日本の運命を決定づけた「タタタ タタタタ」であった。電報は、相手の手に掛かることも考えられるため、こうして重大な時には暗号が使われていた。現代について考えると、間に他人が入ることはありえない。もし、それを実行した場合は前例がもうすでにあるが、犯罪とされている。
 これらから考えても理解できるように、便利な世の中は大変良いという意見がある。技術が高度になるほど、情報をより早く仕入れることも可能だ。また、時間短縮になる場合もある。確かに誰でもわかることだが、生きていくこと最低限だけを毎日行っていた縄文時代(遡りすぎかもしれないが)と比べ、娯楽の時間は何倍も増えている。そして、物が豊かということは、飢えや寒さに苦むことはない。そのため、人間が幸福に暮らすこともできる。
 しかし、反面に物が豊かだけでは十分ではないという意見もある。物が原因で、紛争が勃発してしまう場合がある。そのため、物とは違う心の豊かさもまた必要と考えることもできる。昔話で例を挙げるとしたら、桃太郎が適切ではないだろうか。桃太郎が退治した鬼はもともと、とても裕福に暮らしていたかもしれない。しかし、桃太郎にキビだんご一つで従った犬や猿、キジの方が心は豊かだろう。世間話で言うと、自分の利益ばかり追い求めていた人だから、あのお方は心が他人に対して冷たい等という話が屡々上がではないだろうか。しかし、心がどんなに誰よりも豊かな人でも生活するだけで精一杯と言う暮らしはどうだろうか。よく、発展途上国は心がとても澄んでいるが、先進国に対しては心が冷たいという言葉が度々聞かれる。しかし、心がどんなに豊かでも、生きていくだけで精一杯という暮らしはどうだろうか・・・。
 これらからを総合化してみるとわかるように、物の豊かさだけが必要というわけでもなく、心だけが豊かというのでもない。したがって、両方とも大切であるのではないか。経済学者であり、有名な「サンタクロースって本当にいるの?」の作者であるてるおかいつこさんは、「豊かさはなにか」「豊かさの条件」(岩波新書)」や「ほんとうの豊かさとは 生活者の社会へ」(岩波ブックレット)という本も出版している。そしてその中で、「大切なものは目に見えない」という名文を語っている。これは、金子みすずの「星とたんぽぽ」という詩の中でも同じ様なことを伝えている。そして、一番大事なことは、そういう豊かな社会を、自分たちがこれからつくっていくということではないだろう。

     

   講評   nara


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