国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   中身の大切さ   すりりんご

生物学と建築というと、いかにも縁遠い存在のように思われるが、果たしてそうだろうか。考えてみるとわれわれの生活の大部分は、生物的嗜好でよいわるいを判断していることのほうが多い。だが従来の工業的立場では、数量的にあらわそうとするが、現在の技術の段階ではどうしても割り切れない部分が残ってしまう。だが新しい生物学はそうそたあいまいさに対し時に、数量的に割り切れるものがすべてではない、ということも教えてくれるようになってきたのである。また、人間は人間であるよりも先に、まず生物で、生物は本来もっと泥臭いものということが、いつのまにか忘れられていた。だから、いくら整ったところでも、よそゆきの冷たい美しさで整いすぎたところでは落ち着かない。このように、私は人間は生物的に生きるほうが良いと思う。
 第一の理由は、整いすぎた環境では逆に落ち着かないからだ。私は、友達の家に泊まりにいったりする事がよくある。友達は汚い部屋を見せられないといって片付けをするが、自分の部屋が汚いせいか、整っていると逆に居心地が悪い。また、私は片付けをした後、何故か自分が今までいた空間とは違うような気がしてならない。ごちゃごちゃした空間のほうがかえって居心地がよい。人間以外の生物も、整った場所よりも自然の中の凹凸のある場所のほうがずっと過ごしやすいのではないか。私なりに別の経験を挙げると、授業の課題などで、みんなの前で発表する機会がある。そのときも水を打ったように静かなところで発表するよりも多少ざわついたところのほうが気持ちとしても楽に発表できるのではないか。(笑)
 第二の理由は、外見ばかりにこだわるよりも、中身にこだわったほうが良いと思うからだ。汚い部屋でも、自分の生活の仕方にあったものならよい。しかし、いくら整っていても、自分がよく使うものが手の届かないところにあったりすると、過ごしにくくなってしまうと思う。見た目だけにこだわっていては、物の本当の良さは引き出せないと思う。外見がきれいでも自然災害に対応できない家と、見た目は少々気に入らなくても防災の設備が万全な家とでは、やはり後のほうがずっといいだろう。だから、見た目のいいコンクリートの道よりも少し汚い道のほうが生物的には好まれるのだと思う。
 確かに、あまり汚すぎても過ごしにくくなったりはしてしまうし、見た目にだって少しは気を配ったほうがいい。しかし、外見を気にして中身をおろそかにしていては本来の目的を達成できない。ほんの少し散らかっていて、それでも中身はきちんと使いやすい形になっている、そんな物がイチバンなのだ。『大事なのは健康らしい外見ではなく、健康そのものである。』という名言の通り、外見以前に考えるべきものがあることにもっと気付かなければならないといけないと思う。だから、整ったものよりもなじみのあるものの方がいいと思う。

   講評   huzi

 送信は少し遅くなったけれど、よく考えて書けましたね。課題を自分なりに消化し、筋道をしっかり立てて意見展開できました。
  生物と建築。私がこのテーマで思い出したのが、屋上全体に「ニラ」をびっしりと植えた家。野菜のニラです。ニラを植えることで、断熱効果があり、夏は涼しく冬は暖かい家になるんだって! この長文では、人間が過ごしやすい環境には生物学的な要素が必要だと述べていますが、人間と自然がお互いのよいところを伸ばすかたちの建物がもっと増えたらおもしろいのになと思いました。
  【理由】はどちらも、身近な体験をもとにていねいに述べられたね。ごちゃごちゃした空間のほうが落ち着く。これはよくわかります。近代的な建物に囲まれていると、気持ちの逃げ場がないように感じますね。
 中味にこだわったほうが良いというのは、片づけられない部屋に対しての言い訳も混ざっているようですが(笑)、防災の設備を例に持ち出したのはアイデアがいいね。見た目もよく、災害に対しても強い家であることが一番。それが難しいなら、見た目は二の次というわけだね。
  『健康そのもの』という名言は、いろいろなテーマに応用できると思います。建物に限らず、見た目より本質が大切ですね。ものごとの本質は何か。回りに惑わされずに、自分で考え、判断することが大切なのです。

 今週は【データ実例】がお休みでした。

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