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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   独裁と民主主義   こめ

 現在、世界には独裁国家や民主主義国家があるが、独裁と民主主義はどちらが良いか。私は、この質問に対して、すぐさま“民主主義”と答えるのは難しい。なぜなら、民主主義にも問題点があるからである。現在ある独裁国家で日本人が最初に思いつく国といえば、やはり北朝鮮だ。北朝鮮は現在、金正日体制をとっていて、金正日を中心に政治を行っている。金正日率いる朝鮮労働党に絶対服従を強いられ、逆らう者は処罰される。だが、一口に独裁国家は良くない国家だとはいえない。むしろ、効率の面からすれば民主主義は効率が良くなく、独裁国家の方が、効率が良い。なぜなら、民主主義はいろいろな意見を聞かなければならず、一つのことを決めるのにも時間がかかるが、独裁はそういったことがなく何でもすぐに決めることができるからだ。だが、独裁では一人の権力者以外の意見が通らないので民衆には不満がたまる。そして最終的には不満のたまった民衆によって倒されてしまう。フランス革命がいい歴史実例だ。
 私は、日本は民主主義を守っていくべきだと思う。そのためには、どうすればよいか。
 第一の方法としては、話し合いや選挙などをわずらわしいと思わないことだ。最近、日本では選挙権があるのにもかかわらず投票に行かない人が増えている。そして結果的に投票率が下がりっぱなしでいる。また、会議では話し合いを適当にして問題だらけの議題をそのまま通してしまうこともあるし、少数派意見を全く無視した状態で議題を通すこともしばしばだ。話し合いは長々と続くうえに他人の意見を聞いていなければならないし、選挙は投票所に行って投票しなければならないので確かにわずらわしい。だが、それでは民主主義の意味がなくなってしまうと思う。話し合いの際はしっかりと意見を聞いて、投票できるときにはしっかりと投票するべきだと思う。
 第二の方法としては、反対勢力がいつも拮抗しているような状態を作っていくことだ。民主主義国家は、反対勢力、つまり野党の力が弱いと、変な方向に走りやすい。なぜなら、議題についての話し合いの際に反対意見に同意する人がほとんどいなくて結局無視され、議題が自分の全く満足いかないような形で決められてしまうからだ。このようなことになると、たとえ与党が後で大変なことになりそうな法律を制定しようとしてもまったく対抗できなくなる。最終的に民主主義が独裁へと変わっていっていしまうと思う。だから、常に反対勢力がある方が良い。
 確かに、民主主義は効率の面からすると良くないところがある。だが、民主主義には皆の意見を聞けるからこそみなが納得いくモノが決められる、そんな魅力があることを忘れてはならない。独裁国家では、効率は良いかもしれないが、国が混乱しやすいし、皆が納得いかない。民主主義はバランスを崩すと独裁国家となりかねないし、適当にやると変な方向へ向かってしまう。だから、日本は民主主義を守っていくべきだと思う。

   講評   kamono

独裁と民主主義と、どちらがいいか、歴然としたテーマに、<金正日率いる朝鮮労働党に絶対服従を強いられ……>以下、結びまで、民主主義の大切さを真正面から言い切ることができました。民主主義は時間がかかること、効率がよくないこと、けれども日本は民主主義を守っていくべきだ、のあと、方法一、二、以下、実にていねいに書けました。申し分ありません。米国がイラクで世界の反対を押し切って戦争をしているのも、民主主義に勝るものはなく、それを根付かせるため、という信念からでしょう。「表現」に◎がつかなかったのは、ことわざの加工・自作名言がなかったからですね。今度は考えてみてください。それから、実に細かいこと、簡単な表現だから、いっそう気をつけたほうがいいというところ、<すぐさま“民主主義”と答えるのは難しい>ですが、これでいいと思いながら、<難しい>ではなくて、<すぐさま“民主主義”>と答えておいて、しかし、民主主義はいろいろ手間がかかる、ということを言う、そういう押さえ方のほうがベターでしたね。

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