国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2426 今日1462 合計53798
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   少年よ   いうや

一流ホテルの一流のロビーでは、一流の男女が「仕出し屋」として居る。これはホテル側があらかじめ用意しておいた物であり、経費がかかるがそれなりの利点がる。この男女に良い見本や、悪い見本になってもらい、そこでロビーを利用する周囲の人々のちょっとした教育係となってもらうのだ。そしてロビーでの奥儀のようなものを学んでもらい、「これこそが都会人なのだ」と、他人から思われるような行為を心掛けてもらう。しっかりと教養され、田舎度が払い落とされるとボーイがやってきて、新しい「仕出し屋」として雇ってくれる。
確かに場所に応じて態度や行動、言葉遣いを変化させることは必要だ。先生や上下関係の厳しい部活での先輩に対しては敬語を使うべきだし、行動も幼すぎると指摘される。また、お葬式でピンクのドレス、結婚式で花嫁より目立つドレスを着てくる人はあまりにも不謹慎である。僕は以前このようなことで、とても恥ずかしい思いをしたことがある。普段どおりの学校で、休み時間に友人と悠々と遊んでいた。その友人とは背が高く声が低くて、なんといっても大人っぽい雰囲気をかもし出している子だった。突然その友達独特の図太い(失礼な)声で名前を呼ばれ、ふざけて「なんどすか?」と、振り向いた。ところがどっこい早とちりはダメである。、その声の持ち主は生徒会の係りの先生だったのだ。それにプラスして学校一恐くて融通の利かない先生だった(またまた失礼な)。すぐに謝罪してその場をなんとか取り繕ったが、さすがにその時は、手に汗を握っていた。
 しかし自分のスタイルを貫くことも重要だ。自分のこころの中に、一本の絶対的な線を通しておけば少しの事でへこたれるようなことはない。それに他人に合わせてばかりだと自分らしさを失い、破滅へ向かうことも十分にありえる。野球などのスポーツや勉強方法でも、それぞれ独自の方法がある人は、それぞれの分野ですぐれた成績を出すことができる。しかし逆に、人のやり方ばかりを真似していつも方法が変化すると、成果も安定せず結果的に失敗するのだ。昔話に「牛とかえる」があるが、かえるは牛の大きさを自分の小さな体で表現しようとし、結果的に破裂してしまった。いつもはそんな異常にお腹を膨らませたりはしないのに、無理をして自分の限界を超え、失敗したのである。このように、いつもの自分のプレーとは異なることをすると、なんらかの支障が生じてしまう。かえるが牛の大きさを表す事は不可能なのに・・・(笑?)。
 確かにその場に応じて行動ことも自分のスタイルを貫くことも大切だ。しかし、「持ち物を気にするのは、実力に自信がない証拠である」と、いう言葉のように一番大切なものは大きな心である。しっかりとした志や意見をもっていれば、あわせるときはあわせ、自己流で突っ走るときは自分のスタイルが崩れることはない。つまり万事のことに対して柔軟な考えが生まれるのだ。僕は志は大きく強くたくましく持ちたい。

   講評   huzi

 「……大志を抱け」ですね。機知に富んだ題名ですね。「なんどすか?」も、笑わせてくれました。
  一流ホテルの「仕出屋」。長文には細かく観察した描写がありましたが、実際そのような人はいるのだろうか? いないように思います。多くの人は、「我こそはこの洗練された場にふさわしい人間だ」と無理をしているのではないでしょうか。「仕出屋」とは、架空の人物としてホテルの雰囲気をたとえたものだと私は思います。
  こういうたとえ話的な文から、意見文を書くには、長文から少し距離をおいて眺める余裕が必要ですね。そのものについて論じようと思っても、難しいです。
書きなれている將くんなら、即座に【場所に応じて態度や行動、言葉遣いを変化させることは】と、【自分のスタイルを貫くことも】を【複数の意見】として持ってくることができるのですが、それは、距離をおいた視点を持つことができた結果。今回は、自分の視点を自由自在に変えられる力がついたことを、確認できたと思います。
  体験談は、学校の身近なできごとを共感を与えられる形で説明できました。私も、ふりむいて返事をしたら全く別の人がいた、そういうことがたびたびあります。声まで変わってしまう一瞬ですね。
 【昔話】は、「牛とカエル」。自分を大きく見せようとする態度は、痛々しいですね。そうそう、ウシガエルなんていうのも、いるけど(笑)。
 【名言】は、「持ち物を……」がピッタリ。持ち物や外見の立ち居振る舞いは、その人自身をあらわすのかどうか。これは簡単には決められないですね。場合によっては、人柄が外見に表れることもあるから。けれども、相手との結びつきが深くなり、付き合いが長くなると、外見を取り繕うよりも中味にしっかりした志や意見があるかどうかが重要になってくることは確かだと思います。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)