国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   話し合い   うらね

 イスラエルは全員一致の裁決は採用しないそうだ。なぜなら、裁決を求めるのは、べつな考えがありそうなときであるり、そうであるにもかかわらず、裁決の結果、全員一致というのは不自然だからである。異論を唱えると、いろいろまずいことが生じそうだから、形だけ一致させている、と、そういうことではないのか。こういう事情を勘案すれば、一つのパラドックスとして「全員一致は採用せず」という理屈も理解できる。この世にある、すべての困難な決断は、五十五対四十五と、四十五対五十五との間にある、と私は考えている。百対ゼロはおろか、七十対三十くらいの状況だって、判断は明々白々、悩むほどのことではない。こんなふうに考えてみると、全員一致を排除するパラドックスもおおいに意味を持つように思えてならない。(要約)
 確かに多数決で物事を決めることは大切だ。どちらの方が正しいのかわからないから議論するので、全員一致というのはありえない。反対意見というものも出てくるものなので自分の意見を反対意見の相手側に納得させるのはとても難しい話である。そうなるといつまでたっても意見がまとまらない。だから、多数決をした方が時間がかからなく、多数決で負けた意見の方の人たちもみんなの意見がこうなのだから、仕方がないとあきらめがつくので良い。
 しかし、全員一致になるまで話し合うことも大切だ。昔話の桃太郎でも桃太郎と家来たちが全員一致で鬼征伐に向かったからこそ力をあわせて鬼を退治することができたのだ。実際に日本でも、1890年から六回に渡り、帝国議会が開かれていた。その時、民衆のことを考えていくべきだという意見と富国強兵というスローガンを目的に国を作っていくべきだという意見に分かれていた。そして、ようやく1894年の第六回帝国議会で全員一致で国を強化するべきだという意見が勝利して政府は日清戦争に向けて全力で強化できたので日清戦争で勝利することができたのである。もし、この議会の時に意見がまとまらなかったら、日本は清に戦争で敗北していたかもしれなかったのである。
 確かに、多数決にも全員一致まで話し合うこともどちらにも良さがある。しかし、「議会の目的は、議論を殴り合いの代用品にすることである。」という名言もあるように一番大切なのは話し合いの過程である。真剣に議論することによりそれまでやってきたことの反省点などもわかり、今後に生かしていける。国会の議論中に居眠りしている国会議員もいるが、相手の議論も聞かずに自分の意見を主張するのはおかしいと思う。(総合化)

   講評   baba

<第一段落>
 要約:難しい文をよくがんばってまとめましたね。全員一致のパラドックスを筆者は二つの視点(全員一致自体の疑問、二者択一的な意見はありえない)から分析しているのですよね。
 
<第二段落>
 複数の意見の一つ目:多数決の大切さを説明し、筆者の「全員一致はそれ自体おかしい」という意見に賛成を提示しました。
 また、多数決で決めれば反対意見の人も納得するという見方も付け加えましたね。

<第三段落>
 複数の意見の二つ目:第二段落に対する意見として、討論の必要性を説明しました。エピソードをまじえて、説得力を強化する努力もしていますね。

<第四段落>
 総合化:相反する二つの意見を「どちらにも良さがある」としつつも、「一番大切なのは話し合いの過程」とまとめました。
 「真剣に議論することによりそれまでやってきたことの反省点などもわかり、今後に生かしていける」はすばらしい指摘です。
 名言も効果的に引用できました。

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