低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日2356 今日10 合計9364
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   日本人の笑顔   シュシュ

 中学生のときの英語の授業で、アメリカ人講師の笑顔に違和感を持った。後年アメリカに行き、彼らの笑顔が意識的なものだと知った。彼らは実に意識的な人々だった。明決な価値観を持ち、一瞬一瞬を選択し、行動に移す。笑うべきだと思うから笑うということだ。現実は厳しく、それを乗り越えるためには強靭な意志力と行動が必要なのだ。笑顔は、異質な人が共存する社会でのコミュニケーションのルールなのだった。私は、日本人も笑顔を意識的に増やして生活した方がよいと思う。
 そのための方法は第一に、その場の空気をきちんと読めるようにしておくことだ。空気の読めない無神経な人は、その場にいる人たちの気分を害することがよくある。学校でグループ活動での話合いをするときなどは、特に注意しなければならない。最近はあまりこういう場合はないが、前に、すごく仏頂面で不機嫌な顔をした人がいて、そのグループ全員のテンションが下がり、話合いが進みにくくなったり、結局みんな暗い気分になったりと悪いことづくしのときがあった。誰だって機嫌が悪いときややる気がないときはあるが、その気分が表れた顔によって、回りの人がどういう気持ちになるか、どのように気をつかわせることになるのか、を考えて欲しいと思う。だから私も、あまり機嫌が良くないときでも、友達といるときはできるだけテンションを上げて話す様にこころがけている。
 第二の方法は、小さいころからできるだけ多くの人とコミュニケーションをとることだ。日本では最近、地域でのつながりが昔よりも少なくなっている気がする。しかし、幼い子どもも家族だけでなく地域の人と交流させることによって、誰とでも違和感なく話せる大人になるきっかけになるのではないだろうか。勉強なども大切だが、狭い範囲(家や学校など)から出て、様々な場所で様々な人たちと会話することも、同じくらい大切だと思う。また、徳川家康は、小さいころから人質になって苦労をしたので、人情の機微がよくわかったと言われている(伝記)。一人一人の微妙な気持ちがわかったからこそ、天下統一という大きなことを成し遂げることができたのだろう。
 確かに、他人にどう見られるかを気にするよりも、自分の思うままに行動する方が大切なときもある。しかし、いつでも笑顔でいることによって、人間関係が円滑になり、回りの人が幸せになることができる。そして、「良い友人を得たければ、まず自分が良い友人でなければならない」という名言の様に、きっとその人たちは、今度は自分を幸せにさせてくれる良い友達となると思う。笑っている人を、敵視する人はあまりいない。昔からの文化によって、笑顔よりも重々しい神妙な顔を大切にしてきた日本人。そんな私たちは、もしかしたら国際社会の中で、無意識のうちに損をしているのかもしれない。

   講評   miri

<第1段落>要点がうまくおさえられました。論旨とは別なことですが、体験を使って、主張する方法の見本としても興味深い長文ですね。
<第2段落>体験に基づいて、周り(回りではなく、こちらが適当です)の人のかかわり方をうまく説明できました。
<第3段落>先週の課題「現代はアイデンティティ不定の」にも関係してくる部分ですね。現代の若者像などをもりこんでもよいですね。
<第4段落>最後がとくによいですね。うまい結びの段落です。
              

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)