国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   見てくれのはなし   えせよ

 ヨーロッパにおけるリンゴの歴史は四千も続いているが、日本での歴史はまだようやく百年を超えたぐらいである。この歴史の深さの違いは、そこにおけるリンゴのありかた(価値)の違いへとつながっていったのである。欧米では外見がどんなにわるくとも味さえおいしいのなら評価されるが、その点日本では全く加工せず、手を加えずに食べるため、外見を非常に重要視し、ひたすら美しくなり、高級化されていったのである。そのような日本の果物の外観は尋常なものではなく、リンゴだけではとどまらず、果樹産業全体での一般的風潮ともなっている。しかし、外側の美しさにばかりこだわって、味より美的価値のほうが高品質化に強い影響をもっているのは本末転倒である。日本の美へのこだわりは外国の学者がびっくりするほどである。美しくすることにこだわりすぎ、本来の価値を見失う奇妙な価値観は軌道修正が必要だろう。(要約)
 わたしも果物を購入するときは外見を重視する(バナナ以外は)。チェック項目はいたんでいないか、悪臭がしないか等である。いちごは特にこの傾向がつよい。パックの裏側をしげしげとながめてしまう。スーパーにいったら是非見てほしい。この動作をしているおばさんが絶対一人はいる。九割九分九厘いるであろう。わたしがこんなに言いきれるほど、日本人は食物の見てくれにこだわりたがる。テレビなどで『スーパーパティシエ』とかそういう特集でもきれいに飾り付けられたものがでてきて、見ている日本人家族は声をそろえて「おいしそ〜」というのである。どうせ口に入った時点で咀嚼によって美しさは失われるというのに。(前)
 大手のデパートなどにいって、「プレゼント用です」というと、無料できれいにラッピングしてくれるサービスがある。スーパーでもそういったものはある。お金を払うと、さらに豪華なラッピングをしてくれたり、いろいろな包装紙やリボンを売っていたりするところもあるだろう。包装なんて外側だけで、メインは内部でこぢんまりとおさまったものなのである。しかし自分がもらうがわにまわったとき、ラッピングがきれいだと嬉しい。開けずに飾っておきたいぐらいである。まぁ、そう思っている時点でわたしも日本の風潮にすっかりやられているのであろう。
 日本人にとって外観(見てくれ)ほど大切にしているものは無いだろう。服装がだらしのない人はモテないことからもわかる。でも、派手に装飾し、本当に大切なものを見失いながら見てくれだけ誇張することはそんなにいいことなのか?「清楚」、「質素」であることの美しさを忘れていないだろうか?わたしは和室が好きだ。畳も大好きだ。消えさってしまった「わび・さび」がもう一度復活することを願う。

   講評   baba

 軽快なテンポで笑いを誘うような語り口ですね。これは真実子さんの持ち味。大切にしていってください。


<第一段落>
 要約は的確にまとめることができました。りんごの例は一文にまとめると、もっとすっきりと端的に要約できますよ。

<第二段落>
 はい、私もイチゴのパックをひっくり返してみているおばさんの一人でございます。まあ、イチゴに関しては、見てくれよりも腐っていないか(そこのほうが押しつぶされて傷んでしまうのよね)をチェックするんだけど。
 我が家の近所に有名な果物屋があり、名前は「びっくり屋」。なんでそういうと思う? びっくりするものが売っているから。真っ黒になったバナナが一房300円とかね。シュガースポットを通り越しているよ。
 こういう場合、欧米人はどう判断するんだろう。

<第三段落>
 見た目を気にするのは、日本の伝統習慣なのかな、それとも欧米の影響なのかしら。と、ラッピングの例を読んで疑問に思いました。
 果物はかつて日本では高級品だったのです。バナナなんて、今は安い果物だけど、40年前くらいは高級品だったのです。だから、りんごやいちご、オレンジなどの輸入果物は見た目の美しさが欧米への、そして、上流文化への憧れであり、象徴でもあったのでしょうね。
 ラッピング、フラワーアレンジメントなども欧米からのものですよね。いいところに気がつきましたね。

<第四段落>
 日本の伝統には「わび・さび」がありますね。時代によっては豪華絢爛なときもありましたが。質素倹約、勤勉は世界でも有名な日本の社会の性質。
 欧米への憧れで失われてしまった日本の伝統を見直すことが、物事の本質を見る力を養うことにつながるのでしょうね。
 うまくまとまっています。おもしろい作文ですね。

☆「?」「!」のあとは一文字分あけましょう。


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