国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   余白の上手な使い方   ポテチ

「新聞」というものをまるで読まないと言い切っている人がいる。新聞を世間に例えて見ると、論説記事は神社の地主さんの祝詞のようなものであり、経済記事はおみくじのようなもの、政治・社会面に至っては小屋掛け芝居のようなもので、読み手はぶらぶら散歩して夜店をひやかす客のような存在である。そして、一番楽しくぴったりしているのはやはり広告欄という夜店通りである。新聞の中に偶然が潜んでいる空間を探すとすれば、あちこちに散らばっている情報である。情報もできるだけ、個人がひそかに培養している「私」文化といった、あまり人と分かち持たなくないものに直接プラスになるものの方が、意外性の面ではより高いように思われる。私は、行間や余白を重視した方がいいと思う。
 その理由の一つに、行間や余白なども重要な役割をしていることがあるからだ。これは学校の授業でもいえる。中学校になって、科目別に違う先生から教わるようになった。そのせいで、教科ごとの好き、嫌いも変わった。小学校のころは社会がまあまあ好きだったが、中学校に入って嫌いになった。逆に、数学は嫌いだったのが、前よりかは少し好きになれた。このような変化の原因は何かと考えてみると、先生の教え方が変わったことも理由の一つになるのではないかと思う。小学校の社会の先生は実際に体験したり、調べたりもさせてくれた。また、「雑談になるが・・・」が口癖で、面白い話もしてくれた。それに対して中学校の先生は、紙に書いてある文章の穴埋めをして、みんなで答え合わせをするという繰り返しだ。確かに中学校は小学校に比べてじっくりと考える時間の余裕などないし、そのおかげで問題集の問題は解けるようになった。しかしなにも面白みがないので社会の授業を楽しみに待つこともなくなった。同じことを教わっても、教え方や面白み次第で楽しく覚えられたりするのはやはり行間や余白の入れ方の違いかもしれない。
 もう一つの理由に、余白などがない生活をしているとゆっくり休む暇がなくなってしまうからだ。朝日新聞社の一九九七年のデータによると、収入増と労働時間短縮のどちらを選ぶかというアンケートで男女ともに時間短縮を答えた人が多い。そのぐらい人間は自由な時間を求めている。自分のしたいことを自由にする時間があるからこそ嫌なこともやろうと思う気持ちになるし、「明日もがんばろう」と思える。残酷な話だが、最近自殺する人が増える理由は、自由な時間がすくなく、ストレスのたまる人が多いからだと思う。自分の時間をとりすぎてだらだらしてしまうのはよくないが、少しでも余白のある日々にすることも大切だ。
 確かに、余白や行間がない方が中身が充実している。しかし「多すぎる休憩は、少なすぎる休憩と同じように疲れさせる」という名言がある。つまり詰まりすぎる予定も、空きすぎる予定もよくないのだ。ときには予定をさぼって自分をみつめなおすことも大切だと思う。

   講評   inoro


 こんにちは、愛美ちゃん。テストお疲れ様でした。火曜日の前に書いて出してくれて、いつもありがとう。自習もがんばっていますね! きっと力になりますよ。
【第段落】⇒新聞記事を夜店にたとえ、粋に表現してあった長文でしたね。記事よりも、欄外広告などの方が、「私」文化を育てるという内容の本文でした。要約が大変上手で、毎回驚いています。「●是非の主題」を“私は、行間や余白を重視した方がいいと思う。”と定めてスタートできました。
【第段落】⇒“その理由の一つに、行間や余白なども重要な役割をしていることがあるからだ。”と、学校の先生の雑談を「行間・余白」、と、うまくとらえて、その魅力・必要について書けたね。教え方一つで、授業の吸収は変わりますよね。小学校の頃の社会の先生、楽しい先生だったのでしょうね。「◎体験実例」が充実し、この段落が愛美ちゃんの作品に個性や温もりを与えていますね。益々、この段落を大事にしていってください。
【第段落】⇒“余白などがない生活をしているとゆっくり休む暇がなくなってしまうからだ。”と「●理由二」もうまく思いつきましたね。朝日新聞社のデータは、内容もよく理解して使えました。人間には、余白・つまり余暇が大事ですね。自分の生活の中にオアシスのような余白、自分だけの休める時間があることは本当に大事ですね。愛美ちゃんの意見文にはとても深い眼差しが感じられます。
【第段落】⇒“確かに、余白や行間がない方が中身が充実している。”と、バランスをとりましたね。余白は余白だから良いのでしょうね。白紙すぎても、呆然としてしまいそうですし……。でも、現代は余白を取る余裕が少な過ぎるかもしれません。愛美ちゃんの言うように、時には少し予定を変えて自分を見つめ直すことは、大切だと、先生も思いますよ。それは、次の一歩の活力になってくれるはずですね!

 段落ごとの項目に沿って、意見文を磨くことができました。大変良くできました。ところで、2月22日(火)は先生の急用で代わりの先生が電話をくださいます。(愛美ちゃんに、あらかじめお伝えできなくて、すみませんでした。)よろしくお願いしますね。次の電話の日を楽しみにしていますよ! (^O^)ノ

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