国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   サトシワールド 序章 旅立ちの時   隊長

そして、月の沈む闇の彼方に静かに消えていった………。
この世がまだ、剣と魔法によって治められていた時代。荒れ狂う戦乱を、いくつもくぐり抜けてきた男の話。
かつて人と魔神が別々に暮らしている二つの大陸があった。一つは人が暮らすコーサラ大陸、もう一つは、魔神とその部下たちが暮らしている。魔の大陸があった。二つの大陸は、お互い争うことなく、平和な毎日を送っていた。(小さい小競り合いは何度かあったが…………。)
しかし!その平和が突如破られた。
魔神が部下を連れ、急にコーサラ大陸に攻めて来たからだ。人は次第に追い詰められてきた。
だが、最後まで抵抗する十人の人がいた。
勇者カラン、狂戦士グルス、大賢者コナス三兄弟、謎の多き闇のサグム、神の奇跡を起こす光の大司祭エーリル、礼儀正しく、この十人の中で、最も頭のさえる神騎兵マルス、冷静沈着、誇り高き草原の血を受け継ぐハン、神の奇跡で傷を癒すのは、女だからとなめてかかると、痛い目にあう修道女セーラ、この十人の使う神将器というものによって、魔神は倒された、と誰もが思った。が、魔神は生きていた。力を使いすぎたので、長い眠りに入っただけだった。
そして遺体と思われた魔神は、封印の神殿という所に、永遠の封印をされたはずだった。この後、この封印が解かれるという事を、露とも思わず……。魔の大陸は、魔神の力によって、海の底に沈んでしまっていた。
その後時は流れ…………、勇者カランが創ったとされるカルドの首都カラサに、一見何のへんてつも無い男が住んでいた。名はサトシといったが、この男は大変腕のいい暗殺者で、どんな依頼でも着実にこなす男だった。
あるとき妙な男が変な依頼をした。「カラサ郊外に住む魔道一家を始末してくれ」
「報酬は?」と聞いたら、「金は0円。しかし、何でも言う事を一つだけ聞いてやる」「本当だな?」
男が頷いたの確認しサトシは暗殺の準備に取り掛かった。愛用の剣、非常食など、暗殺に必要な物を揃え始めた。そして心の中で、こんな簡単なことは、無いと思った。しかし何か裏が有るかもしれないと考えていた。が、それよりも体が動いてしまったときは、後の祭りだった。(ことわざ)
その城の周りは、三方を海に囲まれていて、道は正面の、一つしかなかった。「さーて何処から責めるかね」と考えていたら、見付ってしまったので、真正面から行く事にした。魔法は、魔道書を媒介とし、ファイアーなら火の精霊と話しをして、炎をこの世に具現化させてから、始めて攻撃をするので、素早く攻撃を繰り出すサトシの敵ではなかった。
しかし代々魔道軍の将軍をやっている名門なので、城の中は、魔道士や賢者、シャーマンやドルイドなどの選りすぐりの魔道士部隊が、守りを固めていた。
だが、ほぼ一撃で相手始末するので、声を上げる暇が無く、見つかる心配が無い。まるで、疾風のように、(例え)早くまた一人、また一人と、敵を蹴散らしていった。
そして、やっと城の最深部についたと、思った。部屋を目前にして、「ふう、やっとついたぜ」
と、言いつつ扉に手をかけたその時、ガコン!という音がしたかと思うと、サトシの体は宙に浮いていた。
落とし穴にはまったのだ。落ちた所は、牢屋だった。しかし、牢屋を抜ける事くらいサトシには朝飯前だった。何とか抜け出す事に成功し、いざ脱出といった所で、扉を開けようとしたが、中からは、絶対外せない様にしてある鍵だった。もたもたしているうちに、見張りの兵士が来てしまった。歩く速さと鎧のガチャガチャという音で、アーマーナイトだと解り身を引いた。狭い場所で、自慢の速さが活かせず、しかも相手は硬い鎧で身を固めたアーマーナイトだ。速さは活かせないし、切り込んでも狭い通路では、リーチの長い槍の方が有利なので、サトシが圧倒的に不利だった。「チッ」と言いつつ、急ぎ窓の鉄格子を破り、荒れ狂う海に、身を投げた。「ここから落ちたら助からんだろう」
後ろから見ていたアーマーナイトは、そう言い残し、その場を後にした。海に落ちたサトシは、運良く近くの岩場に上がる事ができた。「屈葬、俺とした事が、しくじっちまった。あんな簡単な罠に引っ掛るとは。屈葬、屈葬」
散々悪態ついた後、サトシは何とかカラサに帰り着いた。
家に着いたサトシは「明日また行くか」と、はき捨てながら言い、ベッドに入った。
しかし!一人だけ、魔道軍の生き残りがいたので、サトシの事が、ばれてしまった。暗殺の腕は確かだが、しくじった事が無いので、その後の処理を忘れてしまったからだ。夜足音と、殺気に気づき、自分がやり忘れた事を思い出した。何故ここが解ったのかと不思議に思ったが、自分を狙っていると思い、そんなことを考えている暇は無かった。急ぎ荷物をまとめ、密かにカラサを脱出したが、サトシは国に追われる身になってしまった。「国一の魔道将軍を狙ったからな」
仕方なしにサトシは暗殺業を止め、各地を巡る傭兵になる事を決意した。
そして、月の沈む闇の彼方に静かに消えていった。

   講評   kan

 こんにちは、隊長。今回も大作ですね。豊富な語彙としっかりとした文章力で読みごたえがあります。しっかりと構成を練った様子がうかがえますよ。自分の好きなことなら熱心に取り組める、まるでその見本のようです。頑張りましたね。
 項目も、物語にしてはうまく盛り込めることができたと思いますよ。それぞれの項目についての理解はしっかりできていますね。次回、課題に取り組むときにいかしていきましょう。

 会話を書くときには行を変えてみましょう。たとえば、

 家に着いたサトシは「明日また行くか」と、はき捨てながら言い、ベッドに入った。
      ↓
 家に着いたサトシは
 「明日また行くか」
 と、はき捨てながら言い、ベッドに入った。

           

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