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　　　やればできた！　　　スマイリー

　「がんばろうね。」
体育大会だけでもたくさん言ったこのことば。本番、朝練の前、出場が決まったとき、、、。
　十一月、市の体育大会があった。私は、五十メートル走に出場した。体育大会には、リレー、百メートル、五十メートルの三種目があり、リレーと百メートル走はタイム順に決まっていき、五十メートル走は自由参加だ。役割を決めるとき、私ははじめ記録をやるつもりだった。立候補には二人いて、私は辞退した。思い出に残ることがやりたくなり、五十メートル走に変えたのだ。朝練も自由参加だったが、やるからにはがんばりたくて参加することにした。朝練は朝七時四十五分から始まる。最初の朝練の日は、私はどきどきしながら学校に行った。しかしそこで始まった練習は私の想像とはまったく違った。まず校庭を二周。ここまではさほどつらくはない。しかしここからが本当の朝練。ストレッチにやったモモ上げなどがとてもきつくてももがすごく痛くなる。そのあとに、坂道ダッシュ。学校の前の坂道を走るもので、すごくきつい。初めのころは笑顔で時折しゃべりながら楽しくやっていたのに、きつくなってきて、最後は話すのも苦しいほどだ。次の日には足は痛くてしゃがむのも大変なほどだったけど、私は毎日休まないで行った。二日、三日と通ううちに体力もついてきて、楽しくなったし、体育大会で最高の思い出を作りたかった。私が一番心に残っているのは坂道ダッシュだ。坂道のしたまでいくのはまるで地獄へ落ちていくみたいに足取りも重かった。走っているときは、頂上がない階段を上っている気分だ。それに、私と走る子がすごく足の速い子で、いつも置いていかれてしまうのがちょっとショックだった。でも、日に日に差もちぢまっていってそれほど苦じゃなくなってきた。最初は嫌だった坂道ダッシュも目標へと変わり積極的に取り組むことができた。私が好きだった練習はスタートダッシュの練習だ。足の速さはあまり関係なく瞬発力などが関係してくるのであまり早くない私にも楽しくできた。タイムは足の速さのほかに技術的な面でも早くすることができることを実感した。
　本番の日わたしはドキドキしながら順番を待った。走り出すといままでのことはあまり思い出さなかったが走り終わったときの達成感はとても気持ちのよいものだった。タイムを聞いたとき、うれしいことが二つあった。一つ目は以前、計ったとき(朝練が始まる前)よりもタイムが一秒近く縮まっていたこと、二つ目は以前、計ったときは私よりも速かった人よりも速くなっていたこと。がんばった成果が出てとってもうれしかった。五十メートル走に出場して本当によかったと思った。あのまま記録になっていたらここまでいい思い出はできなかっただろう。立候補が二人いたことに大感謝だ！
　人間にとって頑張るということは、自分の枠をひとつ超えることで、成長への第一歩だろう。私は朝練を頑張ることによってたくさんのものを得た。またがんばることのすばらしさも知った。これからもいろいろなことをがんばっていこうと思う。やればできた！この言葉のとおりになったと思う。
「がんばろうね。」
私はこの言葉を支えにさまざまなことに挑戦していく。この言葉は私がなにかに挑戦し続ける限り私の心の中に絶対にある。(書き出しの結び)

　　　講評　　　miri

＜第１段落＞よい書き出しですね。導入部とひとつめの話＝練習風景、の区別をはっきりしたほうがよりよいでしょう。
＜第２段落＞読んでいるだけで、足がつりそうになってしまいましたが、この練習のつらさあってこその達成感なのですね。
＜第３段落＞ほんとうによかったですね。練習風景の部分に比べ、さらっと書いているところがかえって、感動が伝わります。
＜第４段落＞たいへんじょうずな書き出しの結びです。作文全体を引き締め、強い印象をのこすことに成功しています。

おめでとう！！やったね！