創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
日本独特の表現 すいーとぽてと
日本人が、淡白であるかわりに持続力に欠けていると言われるのも、生活感覚に左右されているところが少ないのではあるまいか。うるさいことは嫌いだと言う。ごてごてしているのは面白くないと感じる。こういう傾向が言語に影響しないはずはない。細かいことは省略してしまう。それが分からぬのは野暮だとして相手にしない。これが嫌だから以心伝心の術に長ずるようになる。筋道を飛ばして結論を出す。結論は相手の想像に委ねて、さりげない話をしてお茶をにごす。感覚的に全体を直感で把握する。俳句は、理屈で説明すると何十枚もの文章を必要とするものを凝縮させたものだ。これは、論理を超えた論理があるからできるのだ。私は日本独特の、理屈ではなく直感に訴えようとする文化は良いと思う。
第一の理由は、相手の言いたいことを読み取ろうとする思いやりが育つからだ。普段の会話で、
「あれについてだけどさあ、やっぱりそう思わない?」
のように、「あれ」や「それ」などという言葉がよく使われる。これは、相手が全て理解できていると思っているからだろう。このことによって、話が上手く伝わらないこともよくあるが、上手く伝わることもある。
「今日は水曜日だ。絶対面白いから見てみなよ!」
「えー、本当に面白いの?」
「面白いよ。暇ができたら見てみてね。」
「この間、最後の5分間だけ見たよ。」
「本当?面白かったでしょ?」
この会話は、周りの人が聞くと、何について話しているか全く分からないと思う。友達にも、何についてかは教えていないが伝わったのだ。具体的に話さなくてもきちんと伝わることは、嬉しいことである。心と心が、まるで見えない糸でつながれているかのような気分になるからだ。「友達をこのような気分にさせてあげたい」と思う気持ちがあるから、このような会話が生まれるのだろう。
第二の理由は、短い言葉から想像を広げることによって、感受性が豊かになるからだ。データ集に、「企業の宣伝費」のデータがあった。一位は、トヨタ自動車の70,918百万円で、二位は、花王の49,237百万円、三位は、日産自動車の46,703百万円だ。広告を見ると、短い言葉に大きな写真と言うパターンが多い。これは、長い文章で全て説明してしまうよりも、一言だけの方が、想像が広がるからだろう。
確かに、公や学問の場では理屈で物事を伝えるのも大切だ。しかし、「辞書のような人間になるのではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。」と言う名言があるように、直感に訴える方法は良いと思う。これからも、この文化を大切にし、感受性を豊かにしていきたい。
講評 kira
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |