創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   物とのかかわり   はなこ

 モノとの出会いの経験も、著しく貧困である。商品としての「もの」が氾濫する一方で、自然と連なるモノの世界は、ますます子どもの生活から消滅しつつある。その端的な現れが道具の使用の経験の未熟さに見られる。小学校高学年でも、木工をやらせると、鋸を立てるように持って木材を手前から向こうに向けて切ろうとする子どもたちが少なくない。金槌を持たせると金属のところを握って釘を打とうとするし、はなはだしい場合には、作業台があるのに板を宙に掲げて打って、「釘が打てない」と教師に援助を求める子どももいる。まっとうに道具が使える子どもは皆無と言ってもよい。モノと出会いモノを道具によって操作する体験や文化が欠落しているのである。僕はもっと物とのかかわりをもつべきだと思う。
 そのための第一の方法は、手作りの価値を見直すべきだと思う。ドミニカの子供達は、お金がないため自分でいろいろな物を集めてバットやボールやグローブを作り、野球を楽しんでいるらしい。そのような国から、何億円もの大金を稼ぐスター選手がたくさん出てくるのは、道具を作る時点から関わっているために野球に対する気持ちが日本人とはまったく違うのだと思う。このような気持ちは、いろいろな物を手作りすることによって生まれたものだと思う。僕も、自分で料理を作ると、普通の味なのにもかかわらず、おいしく感じることがよくある。人間は努力した分だけ自分にその分の利益が返ってくるものだと思う。そうならないことも多々あるのだが……。
 第二の方法は、学校の授業として、物や人と関わる機会を増やしていくべきだと思う。豊臣秀吉は、若いときから織田信長の下につき、色々な人と会ったり、色々な場面で色々なことを体験したりしたために、天下を統一することが出来るような戦国武将になることが出来たのだと思う。織田信長も、子供の頃から真冬に川の中に入ったり、周りのことを気にせずに馬に乗って走り回ったりしていたため人々から馬鹿だといわれていたが、実は将来の戦いに備えて、周りの地形などを覚えていたといわれている。(歴史)僕も小学校の授業で教科書を見ただけではよく分からなかったことでも、実際に外に出て、実際のものに触れてみるとよく分かったということが多々あった。授業で情報を教えてもらうことも大切だが、自分で情報を知ることも大切である。
 確かに、自分が混乱しないためにも、情報処理を行うことは大切だと思う。今の時代、携帯電話のメールやインターネットで間違った情報がたくさん出回っているために、全ての情報を信じると大変なことになってしまう。このような間違った情報の中身は全然重要ではないが、間違った情報が出回っているということは、知っておくべき情報となる。このようにどんなことでも、裏返したりすると、自分にとって必要なものになりうるので、たくさんのことを知っておくべきだと思う。情報とは、他人から聞いて終わりなのではなく、自分でそれを生かすものである。

   講評   nara

 今回の長文には、二つのポイントがあったね。「モノとの関わり方」と「他者への共感」だ。今回、はなこ君は前者に絞って意見をまとめたけれど、機会があれば「他者への共感」についても、ぜひ考えてみよう。それと同時に、なぜ一つの文章の中で、この二つの主題を筆者が述べているのか。根っこにつながるものがあると考えているのだろうね。その根っことは何なのかも、はなこ君なりに考えてみるといいよ。
 複数の方法は、いつもながら実体験と歴史事例という視点の異なる具体例を用いて、しっかり説明できた。この二つの話に共通するのは、「体感する」ということかもしれないね。流行の言い方をすれば、リアルなのか否か、ということだ。リアルと対比すべきはバーチャルとなれば、現代の問題点がより明らかになってくる。要は、「のこぎりという言葉と形体はわかっていても、自分で使ったことがない」ということは、リアルにものを感じ取っていないということだろうね。
 最後の段落は少し話がずれているかな。「情報を活かす」ということももちろん大切だけれど、情報以前のリアルな体験・実感、すなわちモノと実際に関わるということが、今回のはなこ君の主題ではないだろうか。もう一工夫してみてね。
 進級テストは合格。書こうという気持ちになれば、手と頭は動くのだから、今までは何か別のことに気持ちが向いていたのだろうね。これを機にまたぼちぼち書き始められるといいな。(仮)

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