創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本人だから   たこ焼き


 長文の著者である岡本太郎氏は、大阪万博の太陽の塔を作った芸術家として今日まで知られている。今月の二十五日には、愛知万博が開幕され、世界中から人々が訪れるであろう。日本が最初に出典した万博は、1867(慶応3)年の第二回パリ万博からであった。将軍徳川慶喜と一行が日本からは参加したにすぎなかったが、外国人報道陣らは彼らが出典した日本文化独自の物について、とても興味を持っていたと言われている。その頃の日本は、倒幕派と攘夷派が激しく動き出した真っ最中であり、坂本竜馬などの人物を失った年でもあった。
 岡本太郎氏の人生の転機は、縄文土器であった。無数に渦巻き、くりかえし、戻ってくるデザイン。平安時代や室町時代のような、繊細で優美な文化とは、正反対な巧みで堂々としている縄文土器。私は、縄文土器の話を読んでいた際に、頭の中にピンとアイルランド独自の渦巻き模様が浮かんできた。世界遺産でもあるアイルランドの古墳、ニューグレンジの内部の巨石には、大きな渦巻き模様が描かれている。これは、元に戻ってくる縄文土器とは違い、決して戻ってこない、宇宙に放浪しているような感じのデザインだ。アイルランドの渦巻き模様は、ケルト文化の代表として親しまれているが、縄文土器の模様は、ほとんど表に出てくることは今の所ない。 岡本氏のように、周りに惑わされることなく、自分の信じた道を進んでいくことは大切であると考える。幕末、高杉晋作や久坂玄瑞らの師匠だった吉田松陰は、まだ理解されなかった思想で、意思を継いだ弟子達によって一気に長州藩を攘夷から倒幕へと駒を進めてしまった。世間が、攘夷攘夷!と騒いでいたのにも関係なく、「これでは日本は清国の二の舞になってしまう」と考えたのである。己の目でしっかりと清国の状況を見つめた高杉晋作は、一気に計画を企てる。暴走し過ぎて孤独となった長州藩、しかしながらも一刻一刻と時勢は傾きだしてきていた。長州人は、冒険家であったと言えるかもしれない。逃げの小五郎と言われた人物もいたが(笑)、師匠の思想を継いで目標に向かって一気に駆け抜けていった。
 また、戦場を話題とするなら、噂は信じてはいけない。相手武将が同盟に参加したとか相手は引き返した等という噂を聞いても、もしかすると作戦上わざと流したという事も考えられる。そのため、密役を放して真実を調べなければならないということは屡々あったらしい。
 この時代の日本で言えることとしたら、戦場の代わりに地震の被災地が当てはまるだろう。「そっちで火の手が上がり出しているから、南には行くな」という噂が流れていても、実は南は安全で北の方が火事だったという事もあるらしい。また、パニック状態の上で噂が流れ込んでくるために、身を守れずに命を落とした人は必ずいるそうである。そのためには、正しい情報を自分でラジオの速報を聞いて、身を守るしかなさそうである。
 しかし、周りの意見を取り入れることも大切であるとも考えられよう。昔話で言う桃太郎では、おばあさんにキビ団子を持って行けと言われたためにキビ団子を拵えていったが、もしおばあさんに指図されなかったら、キビ団子は持っていなかったという結果になる。即ち、家来もいなく、一人で鬼ヶ島へ鬼退治にいかなくてはならなかったという結末になるわけだ。
 また、織田信長の例を使うならば(信長に限らず、他の方にも言えることだが)、もし家来の中で自分より良い案があれば、その案を採用する事である。織田信長には、明智光秀と木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)といった優秀な家来がいた。ほとんどは自分の策略で行っていたが、時には家来の案を採用したり、美濃の斎藤道三を手本としていた部分もある。自分の力だけでなく、他人の力を採用する事も大切であると考えられるであろう。
 確かに、自分が志し抱いて信じた道を進むことも、周りの意見を取り入れることも、両者とも大切である。しかし、「知識が梯子を作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意が梯子を作ったのだ」という名言がある。熱意がなければ、志半ばで中退してしまうであろう。従って総合化すると、一番大切なのは目標を達成しようとする、その熱意なのである。「武士道」には、日本人の武に対する熱意が込められている。武道をやる私だからこそ、理解しているのかもしれないが、日本人固有の熱意を愛知万博でも見たいものである。

   講評   nara

 塾の春期講習が忙しいのだね。部活も忙しそうだしなぁ。4月1週目も欠席ということだから、次に話せるのは8日だね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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