低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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高校1・2・3年生
たしかブレーズ・パスカル あしも
「狂気」とは、自覚を持たない人間、あるいはこの自覚を忘れた人間の精神状態のことかもしれません。天才と狂人との差は紙一重です。天才とは、「狂気」が持続しない狂人かもしれませんし、狂人とは、「狂気」が持続している天才かもしれませぬ。しかし、人間というものは、「狂気」なしには居られぬものでもあるらしいのです。普通の人間のエネルギーには限度はありますし、様々な制約もありますから、「狂気」もそう永続はしません。人間は、興奮から平静に戻っている状態を、平和とか安静とか正気とか呼んで、一応好ましいものとしていますのに、この好ましいものが少し長く続きますと、これにあきて憂鬱になったり倦怠を催したりします。そして、再び次の「狂気」を求めるようになるものらしいのです。この勝手な営みが、恐らく人間の生活の実態かもしれません。我々が正気だとうぬぼれている生活でも、よく考えてみれば、大小の「狂気」の起伏の連続であり、「狂気」をなくしては、生活は展開しないこともあるということは、奇妙なことです。
人間には狂気というものが必要だ。(是非の主題)
第一の理由は、狂気と呼べるような集中力がなければ何かを成し遂げることはできないからだ。私の行っている塾の自習室には受験生が多い。普段はそうでもないのだが、ここ最近、入試前だからか、全体の空気が張り詰めている感じだ。いつもは騒いでいる人も、とても集中して勉強している。鉛筆のカリカリ…という音が妙に響く。これも狂気の一つであると思う。
第二の理由は、平凡な毎日では退屈してしまうからだ。私の所属している吹奏楽部でも、毎日毎日個人練習だと退屈になってくる。そこで、パート練習や、セクション、合同練習、まれに他中との交流会があると、部活が楽しく感じられる。それに、上手い人を見ると刺激を受ける。データ集によると、十代のストレス発散方法として、男女共『カラオケ』が一位になっている。これはやはり、平凡で退屈な日々の中に、普段では出せない大きな声を出すという狂気が発生するのではないだろうか。
確かに狂気ばかりではなく、冷静に判断することも時には大切だ。しかし、「行動するためには、多くのことに無知でなければならない。」という名言もあるように、何かを成し遂げるためには狂気も必要だと思う。狂気によって、自分の能力が伸ばされる場合もあるだろう。
講評 kira
友葵ちゃん、こんにちは。惜しいなあ。くやしいなあ。いい作品なんだけどなあ。あと200文字だったね。体験をくわしくしたり、データ実例を数字ごと3位まで引用したらOKのような気がしますが・・・。
「狂気」というとのっぴきならない言葉ですが、作者がどういった意味合いをこの言葉に持たせたのかを考えるとテーマが見えてきたね。何かを身に付けるとき、何かを会得するときというのは非常な(常ならない)集中力・熱中の状態にあるものだ。逆に言えば、そういった状態に身を置く経験も必要だ。
考えてみれば私たちの生活はとても単調で穏やかです。時代は安定し、経済的にも恵まれ生活水準も教育水準も高いのが日本です。ほしいものはたいがい手に入り、知りたいことは耳に入ってき、おなかいっぱいであったかいというわけです。それで満足してゆるゆるとしていて良いのかという事なんだろうね。
友葵ちゃんはやはり勉強や部活動の練習で高まる精神力を感じるんだね。何かに打ち込むことは大切ですね。ストレス解消法のほうは、もちろん心地よいほうの集中力を使うわけだけれど、いざと言うときの力をメンテナンスしている感じですね。
冷静にお利巧にしているだけでは自分の現状を超えていく突破口が見えなくなる。だから、たまには自分のおしりに火をつけて、「狂気」に踏み込んでみるのもいいですね。
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