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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   一時停止   いつま

  生きていくために勉強は必要であると私は思う。勉強は、物事を覚えるという作業だけを指す言葉ではない。けれども、今の学校生活の中でそれを感じるかといえば、勉強は「しなければ将来に響く」ものだったり、ある学力レベルに至らないと自分は普通の能力とはいえない、というような意味に変わってきているのではないだろうか。勉強という意味に、考えるという側面がかけているのが今の状態なのではないだろうか。
 学生時代、覚える必要のある知識はそこいらじゅうにあり、それを覚えることが自分の生きる目的のような時期を経て思う。あのころ、先生から言われることは絶対であったのだ。型どおりの知識を、先生のいうとおりに回答すれば正解。そうでなければ点数はもらえない。これを痛感した出来事があった。中学生の頃、イギリスから帰国してきた日本人が編入してきた。彼は「I」を「l」とイギリスで教わったが、それを日本での試験に書いてしまい内容は合っているにも拘らず赤点となった。彼は猛然と抗議したが、それを教員側が覆すことはなかった。彼が何を答えたのかを取沙汰したのではなく、ただの文字の変形が許されなかった。日常のこういった現象から、私は型どおりに答えないと点数が下がるという現実を知る。例に挙げたようなよほどのことが起こらないならば、いちいち先生と意見を交換したり理解を深めたりする手間なく、点数がもらえるように、予め先生が認めるような答えを用意しておけばいいではないか。このようなことを考えながら私は勉強とはこういったことだと漠然と考えたのだった。探究心や好奇心を覚えたのではなくて、どうすれば参考書を1ヶ月で終わらせることが出来るかということを覚えた。例えるなら、クマが冬眠することは覚えても、試験にそれ以上でないならその事実だけで結構、というものだ。そこで、私のクマに関する疑問は一時停止するほかない。多分、一時停止したようなことを「考えてもいい」というのが真のゆとり教育というものなのではないかと思う。勉強の時間をただ減らしても、結果が伴わなかった理由のひとつはこの辺りにあるのではないだろうか。
しかし、欧米の先進的で膨大な知識があれば、これからの最先端の社会の動向についていけるという下地を固めることができる。近年はグローバリズムとかいう考え方もあるように、世界統一規格のようなものができたりして、欧米の考え方を理解していないと、どの分野でもそれは「不利」となることが多い。その知識をきちんと詰め込めたかどうか、それを測る上で、偏差値という考え方は合理的だ。マークシート方式などが解答用紙に用いられる現在では、物凄い時間もかかることなく簡単に何十万という人の試験の結果がわかる。しかし、そういうふうに簡単に社会が人を測っているという現状は恐ろしいことだと考えざるを得ない。
 教育は、突き詰めれば未来のその国、そして未来そのものを作るということになる。新しいことをしてみようという種を今から育てないというのでは、未来は柔軟性を失って、激しく変わっていく外的な環境の前に崩れることしかできなくなるのではいないだろうか。

   講評   nane

 実例が生きています。
 イギリスから帰国した生徒の話のような例はよくありそうです。湯川秀樹も、数学が好きだったのに、決められたとおりの解法を使わなかったために×になり、それから物理学に転向したそうでした。
 クマの冬眠の話も、いいたとえです。ゆとり教育というのは、確かにただ時間を減らすのではなく、考える時間を増やすというところに意味があるのでしょうね。これは、名言になっています。
 結びの3行は、いい意見になっていますが、文差分布が75点なので、文章の流れをもう少し変えていくといいと思います。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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