創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   いろいろな方向・角度から   サクラ姫

 ふだん私たちは、コインを丸いものと見なしている。もちろん、「丸い」とか「玉」と言っても、それは決してビー玉のような球形ではなく、正確には円盤形のことだと、誰でも承知しているが、水平方向から眺めれば、あきらかに、薄い長方形に見えるはずだ。こういった表現は、ヨーロッパに古くから伝えられた、たくみに表現する技術体系であるレトリックと深い関係にある。レトリックは、私たちの認識と言語表現の避けがたい一面性を自覚し、それゆえに、もっと別の視点に立てばもっと別の展望がありうるのではないか・・・・・・と探求する努力のことでもある。私は、いろいろな視点から見るためにも、レトリック感覚は必要だと考える。
 その理由は第一に、いろいろな視点から物を見ると、新しい発見があるからだ。例えば、ニュートンは、「りんごはが木から地面に落ちた」ではなく、「地面がりんごを引き付けた」などと、ほかの見方もしている。いろいろな見方をしなかったら、重力のナントカコントカなんてわからなかっただろう。また、私も算数の問題で、「マッチ棒6本を使って三角形4こをつくれ」という問題をやったことがある。もちろん普通に並べて作ったら、ぜんぜん足りない。それでは、三角形をつなげて1本のマッチ棒で2つの三角形の辺の役割をさせてみようと思っても、やはり4個は出来ない。そのときふと「三角錐」という言葉が私の頭の中に浮かんできた。確かに三角錐なら6本でも作ることが出来るのだ。このように、いろいろな見方をするだけで、ものすごい発見にまで至ってしまうこともあるかもしれないのだ。
 もうひとつの理由は、本当のことがわかってくるからだ。例えばここに、M子とA美がいたとする。ある日学校でM子は、A美が授業中さわいでいて、先生に注意されていたのを見たとしよう。M子は、ものすごくまじめで、な人だから、A美がすごく悪い人間だと思ってしまう。が、M子は考えた。うるさいということは裏返せば元気が良いということ、と。翌日、A子が通学中に、町内のゴミを拾いながら通学していた。このように、レトリック感覚によって、第一印象などによる誤解を防ぐこともできるのだ。
 確かに、一面的に見れば、簡単でわかりやすいだろう。しかし、いろいろな方向から見れば、物事の真実も見えてくる。「雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである」という名言があるが、この雑草もいろいろな方向から見ることができれば、美しく感じられる。(少なくとも私はそうだ!)いろいろな方向から見るのは簡単なようで難しい。すべてのものにおいて、いろいろな角度・方向から見れるようになればいいなと思う。これができるようになるためにも、レトリック感覚は大切だと思う。

   講評   takeko

講評が遅れてしまってすみません。このメールが届いたという連絡メールがなぜか届かなかったので・・・。「レトリック」感覚は、ものの見方が一面的になるのをふせぐばかりか、人間理解に役立つという長文の主旨にそって、理由の段落をたてることができました。要約、主張ともいいですね。レトリックということばは、「多様な表現(書きことばなどを含む)」という意味でふつうよく使います。ちょっとトリックのようですね。同じ事実でも、レトリックによって、よいできごとに思えたり、悪いできごとに思えたりするということです。サクラ姫さんの例のように人間の性格も、その人を「うるさい」と表現するか「活発」と表現するかでは、同じ事実でも人のうけとりかたが全然ちがいます。こういうことは、「情報操作」に使われて、人の心をあやつろうとするときに利用されることもあります。名言もいいですね。先日、新聞に「雑草とは、自分が名前を知らない植物のこと」というのがありました。前の昭和天皇は、学者でもいらっしゃいましたが、「雑草という名前の植物はない」という名言を残されたそうです。私も植物の名前にはくわしくはありませんが、その美しさには気がつきたいですね。コインの絵、いいですねー。


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