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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私の目標   えにそ

海岸沿いの道路の車音が気にならないほど、人々がそれぞれの話に夢中になる喫茶店。そんな喫茶店のオーナーになるのが、私の目標である。

私が大学に入学し、マーケティングの勉強に熱中し始めた頃の目標は、世界を股にかけるビジネスマンだった。しかし、その目標に近づくために留学したアメリカの大学で、その目標はほぼ180度変わった。ある日、いつも一緒にサッカーにやっていたスペイン人の友達と、将来について語り合う機会があった。いつも図書館で、真夜中まで勉強していた彼の口から出た言葉は、まるでお笑い芸人が英語で政治の話をするぐらい、私にとって意外なものであった。彼は、幸せな家庭を持ち、ただ毎日サッカーが出来れば良いのだという。そして逆に私に対して、忙しく働くことはそんなに楽しいことなのか問いかけてきた。私は何も答えられないかわりにhaving funという言葉を何度もつぶやき、自分は何をしている時が一番楽しいのか意識するようになった。そしてその結果出てきたのが、冒頭のシチュエーションである。

すこし前に、小泉政権が掲げてきた「ゆとり教育」が見直された。しかし、問題の本質は何も解決できていない。そもそも何をするためのゆとりを生み出そうとしているのだろうか。私は、おおげさに言えば、人生の目標を探すためのゆとりではないかと思う。毎日毎日忙しい日々を過ごしていては、自分の人生の目標はおろか、庭先に咲いた桜の花すら見逃してしまうだろう。桜の花は毎年咲くが、人生は一度しかない。自らの目標を見失って、ただひたすら働き続けてしまうかもしれない。

人間はいずれ死んでしまう。こんなことを書くと、なんだか宗教団体の演説みたいだが、事実である。ならば、人間は死ぬときどんな顔で死にたいだろうか。どんな悪人でも、笑って死にたいと思うだろう。もし死ぬ間際に、自分がずっと掲げていた目標が達成できたら、どれほどの喜びを得ることができるだろうか。まさに後悔のない人生である。最期にして最高の笑顔で自分の人生を締めくくることができるだろう。

   講評   nane

 書き出しがうまい。情景の書き出しは、読み手を引きつけるね。
 アメリカでの体験実例が生きている。こういう自分にしかない体験というのは貴重。ヨーロッパでは今、スローフード運動などが出てきているくらいだから、人間らしい生活という目標を多くの人が自然に持っているのだろうね。
 第三段落の話題の展開もよく書けた。ゆとりかがんばりかという表面の問題ではなく、何のために生きるのかという哲学が今問われている。
 結びの一般化も、大きくまとまっている。自分の体験に根ざして、人間一般の話につなげるという書き方は、これからいろいろな機会で使えそう。
 話は変わって。喫茶店のオーナーだけだと競争がかなり激しい。自分の得意技を生かしてプラスαの仕事を創造するといいと思うよ。しかし、原点はあくまでも「面白そう」という自分の直感になる。がんばってね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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