国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日中の国交について   カノン

 日中共同声明が発行されてから、早三十年以上の月日が流れている。第二次世界大戦中は敵対していた両国だが、その後は隣国として良い友好関係を築きあげてきたように思われた。しかし、先日中国の主要都市で繰り広げられたデモ行進などを見ていると、今までの友好関係は上辺だけのものだったのかと疑いをもってしまう。今日本と中国は、間違った知識を元に互いの国を認識しているように思われる。両国の誤解が消滅し、国交が正常化する日は二度と訪れないのだろうか。
 そのような誤解が生じてしまった背景に、次のような原因が挙げられる。まず第一に歴史的な問題があると思う。今になって日本側が誠意を持った態度を示したとしても、過去に日本が中国を侵略したという事実は変わらないものであり、その傷跡は簡単に消えるものではない。
 第二に日本と中国の同質文化があげられると思う。人種の分類上でも日本人と中国人は同じ人種であるし、地理的にも同じアジアの地域として分類される。また漢字を代表とした文化で面も共通する部分が沢山ある。しかし文化が同質であるが故にお互い競争心が芽生え、悪くすると劣等感さえも感じてしまうことがあるようである。まして戦勝国の中国からすれば、敗戦国の経済発展は気持ち良いものではないのかもしれない。そういった不満が今回の暴動に繋がったというのも一理あると思う。
 このような外交関係での縺れ事は慎重に対応し、即急にでも解決策を導かなければならない。その方法としては、まず正しい歴史教育を定着させることである。自国にとって不利な出来事を隠蔽するのではなく、事実は事実と認め、未来へ向けた新しい教育のあり方をもう一度見直すべきだと思う。また自分の国の歴史だけでなく、世界史を深く学び、世界の関連性を把握する必要があるのだ。
 そして言うまでもないが、人々の交流やコミュニケーションが最も大切となってくると思う。私が中国に留学した際、最も試されたのが、己のコミュニケーション能力だった。言葉はなかなか通じなかったものの、本気で何かを伝えたいと願えば、意志は疎通するものである。
 確かに日本と中国の間には戦争という悲しい過去があり、その事実を消し去ることはできない。しかし、隣国とさえ良い関係を築けないのであれば、論理的にも世界平和は実現できないと思う。今私たちに足りない物は、相手を理解しようという気持ちや国交正を常化させようというプラス思考の気持ち、そして愛である。愛を持って接すれば、いつかその気持ちは通じるものだと私は信じている。そのことを常に頭において、これからも日本の為中国の為に貢献したいと思う。

   講評   nane

 これはよくまとまったね。
 中国と日本の関係をしっかりとらえている。
 日本と中国が隣国として協力することは、アジアの平和と発展にとってももちろん、世界の平和と発展にとっても重要。そういう大きな流れを、感情的な対立で見えなくしてしまうことはもったいないものね。
 全体に抑制して、深く考えた文章になっている。99点というのは、これまでの最高では。文章のリズム感がいいのは、書かれている内容にもリズムがあるから。重量語彙が重すぎたのは、話題が中国だから、やむをえないか。(笑)
 日本と中国の関係は、隣国だからというだけでなく、経済的な協力が進んでいるからという面でも重要。中国経済と日本経済の本を読んで、経済的な背景もつかんでおこう。政治的な話は新聞によく出るけど、経済の話はあまり出ないからね。
 次回からは、感想文の練習。
▲意思を疎通。

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