国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   新しい感性   あとえ

 就業人口の半分以上が従事する産業に時代を代表させ、社会の発展段階を狩猟社会、農業社会、工業社会、情報社会と分類すると、現在は情報社会の盛期に位置するという解釈がある。情報産業は、新規の労働集約的産業といわれ、人間は肉体労働をしているわけではなく、知的生産に従事しており、知識集約産業と表現される。また、情報産業の次に要求されるのは、農業社会での労力でも情報社会の知識でもなく、人間が感動したり感激したりする内容を創造する能力である。終焉しつつある情報社会を代替して出現する感性社会では、技術は芸術もめざし、技術者は芸術家に変身すると言えよう。
 感性の社会の到来にも関わらず、現代の社会は新しい社会を大切に思っておらず、将来世界の中で取り残されることが予想される。
 その対策として第一に、私たち一人一人が個性や価値観をしっかり持ち、また、それを大切に養っていくことである。社会はめまぐるしく変わっていく。その中で生き残るためには、流行の感覚を持つことでも、古い感覚を保ち続けることでもない。いかに自分というものを持ち、自分を誇りに思うかである。本当に素晴らしい人というのは、いつの世界でも素晴らしいものである。ピカソにしてもゴッホにしても、彼らが天才と呼ばれた所以は自分の感性を貫き通したことにある。はじめのうちは彼らのセンスが理解されず、評価されなかった。しかし、自分は自分と誇りを持って絵を描き続け、後に彼らの絵は美術の教科書に載るほどの評価を得た。だから、私たちも、社会を生き残っていくために、個性や価値観を養うべきなのである。
 第二の対策として、日本の社会全体が古い体制を捨て去って新しい体制を受け入れられるようにするということがある。今の教育は勉強やテスト重視の詰め込み教育が多い。しかし、これからの社会が必要としていることは、知識よりも発想力や芸術性、つまり表現能力の優劣である。だから、学校教育の場においても、知識だけでなく、物事を表現する能力を育てるような要素を含んだ教育をしていくべきである。そして、様々な面で、古い感覚ではなく、新しい感覚で物事を見ていくようにするべきである。
 確かに、古い体制といったものが今の豊かな私たちの世界をつくってきた。しかし、古い傷は身体を良くするのではなく身体を蝕んでいくように、そのままの体制ではいずれ今の社会は崩壊して仕舞うだろう。だから、私たちは新しい感性というものをもっと身につける環境を作っていくべきである。

   講評   kira

 由希子ちゃん、こんにちは。社会の発展が、狩猟採集・農耕・工業・情報と進んできたことは、歴史でも学び実感するところですね。ところが、もうつぎの発展段階にあると言われると、私などは戸惑うばかりです。
 そういえば、近代化を目指した日本が、その技術面ばかりを導入して精神面の近代化ができなかったという問題がありましたよね。「和魂洋才」を実行した結果、悲惨な戦争まで引き起こし、世界で責任を問われたのでした。これと同じといわないまでも、精神面の進歩のおくれは危険です。
 価値観を見据え、個性を伸ばせる体制をつくっていかなければなりませんね。教育では、その上辺の制度が目まぐるしく変えられて、改正ではなく改悪を招いているという反省があります。社会の流れについていくのはなく、自分が変化していくといった心構えが必要だと感じます。日本発の変化もあっていいよね。
  

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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