創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「もの」のありかた   ルル

私たち人間が生きていくうえで必需品だと思っている物はなくても生きていける。そう考えさせられるのはいわゆる第三世界と呼ばれる国々には物が少なく、しかしそれども十分に人間として生きていけているからである。例えば日常生活に置いてよく目にする「自動ドア」これは私たちにとって必要なものと言える。しかし、オーストラリアの原住民アボリジニはこの「自動ドア」をみて驚きながら「なんでこんなものが必要なのか。ドアなど手であければいいではないか」といったという。ここで私たちの思っている「必要なもの」という物の必要性に疑問をもつのだ。アボリジニの他にも日本の歴史上の人物を見てみると、著名な俳人などの中にも物のない生活を送った人はたくさんいる。そのなかでも「良寛」という人物は、自然と向き合い徹底したシンプル・ライフを送った。それで立派に暮らして行けたというのだから、つまり、人間が生きていくうえで物は大して重要ではないということだ。しかし現代に生きる私たちにとって物というのはあって当然と言うものになってしまっている。だから、昔の著名人のようなシンプル・ライフを送ることは難しいであろう。しかし、そのような人々と今の自分を比べる事で、自分のおかれている立場を知る事が出来るのではないか。
 私たちにとって「もの」というのはあってはならないもの…確かにそのような考え方、意見もあるだろう。今の日本人は「もの」の量や質で「豊かさ」を測ろうとしている。例えば「パソコン」がいい例である。いまパソコンは型やソフトだけでも数えるといろいろな種類がある。中でもこの「ソフト」というのは次から次へと新しいものが生まれていく。今一番新しいのが「WINDOWS XP」である。そのもう一つ前に登場したのが「WINDOWSME」というものである。この2つにはどのような差があるのだろう。「スピード」が速い、という点なのだろうか。とにかく「ME」よりも「XP」のほうに魅力がある、ということなのであろう。私たちは「新しいもの」を見るとき、どんな機能性、形、などを考える前に「新しいものへの憧れ」がくるのではないだろうか。だから私たちは日々「新しいもの」もしくは「もの」で豊かさをはかり、それによる「満足感」得ているのだと思う。
 しかし、中には作者の言う通りに「もの」にまみれて生きてはいけないという意見もあるだろう。「もの」を持つということはそれなりの「責任」を伴うということになるのではないだろうか。例えば「すごく高価な宝石」をもっていたとする。そうするとそれを所有する身になれば当然「壊さないように」とか「盗まれないように」とか、何かしら責任感が生まれてくるのではないか。「もの」を所有するとき、私たちにかかる責任感というのははたして私たちにとってのプラスになるのであろうか。それよりも「もの」を身の回りから取り払いそれらの「責任感」から開放される事のほうがいいかものしれない。
 私たちにとって「もの」とはどのような存在か。それを考えるときに、いくら「もの」が無いほうがいい、と言われても、私たちは「もの」が無かった状況を経験したことが無いため、いまいち現実味が無いのである。だから「もの」があることの幸せやないことの幸せなど理解の仕様が無いのである。では「もの」にあふれて生活することが良いのか…と聞かれると、それもまた「はい」とはいえないのである。何故いまの「物質社会」が非難されてしまっているか、それは「きりが無い」からである。「もの」欲しいがために「もっと、もっと」とものを次から次へと作っていてはきりがない。そんな社会が私たちにとっては良くないのではないだろうか。だから、私たちのするべき事は徹底したシンプルライフを送るのでも物に溢れて生活するのでもなく「今あるものを大切に使っていく」ということなのではないだろうか。(総合化の主題)

   講評   nara

 「83分」という実に厳密な数字(笑)。もしかしたら、時間を計って書いているのかな。「このくらいのボリュームと内容を、このくらいの時間で」という感覚を体で覚えるのは大切なことだよ。
 導入となる第1段落は、自分の言葉で書いている部分と、長文を引用している部分の境目が曖昧になったね。特に、課題となる長文がはっきりと読み手にもわかっている場合は、「引用部分である」というのは明らかにする方が、スマートな書き方だと思うよ。引用かどうかがあやふやだと、盗作とされてしまいかねないものね。「……という記事を目にした。」「……と○○氏は述べている。」などと入れておくといい。
 新しいものへのあこがれという視点はおもしろい。「AorB」という選択をするときに、「とにかく○の方が魅力的」という部分は「あこがれ」をよく指し示しているよ。論理よりも感情による判断なのだね。「どちらが新しいか」は、見てすぐわかる。「どちらが多い(大きい)か」も、見ればすぐわかる。物質文明は、わかりやすさがポイントでもあるかもしれないなぁ。だから、わかりやすさにひかれて「こっちの方がずっといい!」という判断になるということだね。
 「ものを持つことの責任」は、確かに、人を縛るかもしれない。ここは独自の意見を展開できた。多くのものを所有することで、身動きがとれなくなるのは、物理的な部分と精神的な部分があるというわけだ。物からの縛りから解き放たれたときに、心も解き放たれるというのは、なかなか鋭い意見だね。
 この総合化も個性的だ。物か心かという択一ではなく、今ある(持つ)物をいとおしむというところから心につながるということだね。これは、物質文明と精神文明とに橋を渡したような意見。現実離れせず、自分でできる具体案を考えたのもいいね。よくまとめられた。
 名言かユーモア表現を入れておいてね。ウインドウズの話で、「とにかく」のところに(笑)を入れてもよさそうね。
 

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