低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日3224 今日2598 合計58158
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   必要性   ミュウ

 「必要」という言葉は、英語では主に二通りの表現の方法があるという。その中の一つの「ニーズ」とは、理屈の中で、データや状況判断から出てくる必要性だ。例えば、ノートのページが無くなったから、新しいノートに買い換える、という作業だ。もう片方の「ウォント」とは、「ニーズ」の正反対で、心の底から「どうしてもこうしたい」と願う気持ちのことだ。先程の例でもう一度考えると、「高級なノートがとてつもなく欲しい」と思えば、そのためにお金を貯めたりすることだ。このように、ウォントには行動に力を与え、次の段階にステップしたりする原動力がある。人生には「ウォント」が必要とされ続けている。私たち中学生は、まさに自分の「ウォント」を探している時期である。私も、「ウォント」という心を携えて生きていきたい。
 そのための第一の方法は、物事に接点をつけることだ。何かに接点をつければ、そこから徐々に発展していき、ウォントを発見しやすい。私の体験からは、次のようなことが挙げられる。私の好きな教科は、理科や数学、英語といった科目だ。難しくて分からないことが、多数あるのだが(笑)。また、将来は理数系が関係する職業に就きたいと思っている。だから、今から選択教科では数学・英語の応用(発展)を希望し、土台を作っている最中だ。このように、私の場合は、何か集中でき、かつ熱中できるものと仕事とを接点とし、実際に「なりたい」と望む仕事を発見したのである。これからも、それを携えていきたいと思う。
 第二の方法は、間口を広げることだ。宇宙飛行士として宇宙へ旅立った向井千秋さんは、10歳の頃から医者になりたい、という夢を持っていたという。そのため、群馬県から慶応女子義塾高校に入学するために、東京へやってきたそうだ。そして、慶応大学医学部に進学し、夢を実現したのだ。また、いつからか「地球を外側から見てみたい」と思うようになり、そんなある日、宇宙飛行士募集の新聞記事を見て応募し、毛利衛さん、土井隆雄さんと共に選出されたのである。このことから、とある物事から間口を広げると、新たな「ウォント」が見つかるということが分かる。彼女の場合、医師になってから間口を広げ、宇宙飛行士に対する「ウォント」を心に秘め始めたのだろう。その思いは止まることなく、彼女の夢は見事に叶った。
 確かに、どうしても、今しなければならないことが誰にもあるだろう。けれども、「人間は、求めている限り迷うものだ。」という名言のように、常に「ウォント」を身に付けていなければならない。「継続は力なり」という諺がある。自分自身の「ウォント」を抱いていれば、自然と欲望が生まれてくるものなのだ。また、よく「なぜ勉強をするのか」という質問を耳にする。私もその中の一人だが、その答えは「ウォントを知り・理解するため」である。これからも、私は未来へ向かって、「ウォント」を持って生きたい。

   講評   nara

 導入の段落で、自分の言葉でニーズとウォントを説明したので、筆者(ミュウちゃん)の立場がわかりやすい。「私たち中学生は……」がいいね。そう、自分のウォントがどこにあるのか・何なのかは、自分で探し出さなくてはならない。「何で実生活で役に立たないようなこんな勉強が必要なの?」と思う中学・高校生は多いだろう。(実は実生活で役立つことも決して少なくはないのだけれど。)ウォントを発掘するためだと思えば、「まずはやってみよう。」と前向きに取り組めそうだね。
 今回の二つの方法は、導入とのつながりもいい。中・高で学ぶたくさんのことは、接点を増やすことの具体的な実践というわけだ。難しくてわからなかったり苦労することがあっても、「でも、おもしろい。」と思えるものは、自分のウォントと関係深いはずだものね。反対に、点数がそこそこ取れていても、おもしろいと思えないものは、いずれ興味を失う可能性が高いだろう。「土台作り」というとらえ方もいいね。
 間口を広げるというのは、「浅く広く」とは別物だということが、向井さんの例からわかってくる。一つのことを深めていくと、そこに関連して隣接する分野への興味や理解も深まるのだろうね。ある分野はそれだけで独立して完結するものではない。医学から宇宙へという一見つながりのない世界をつなぐ橋が存在するのだね。
 「迷わず一直線に」突き進むこともできるだろうけれど、迷いつつもウォントを実現させようとしてもがくのもまた人間らしい。まとめの段落はなかなか清々しいぞ。中3生、この気持ちを大切に、日々過ごしていこう!

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)