国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   豊かな表現   いうや

 日本にはオノマトペ、つまり擬声語や擬態語が多い。オノマトペは象徴的に物事を表す。ところがそれは同質社会でこそ微妙な伝達の機能が発揮されるが、異質な風土、異質な文化の中に住む人にはさっぱり通じない。確かに擬声語擬態語には抽象性を持たず、意味を伝えることは難しい。しかしオノマトペを使うことは、初戦万能ではない日本語ではいい表せない表現を、音楽や絵画で表すのと同じことなのだ。つまりオノマトペは音楽との接点なのである。僕は豊かな表現を大切にして生きたい。
 その方法としては第一に、本をたくさん読むことだ。本の中には(特に物語に多いが)オノマトペが豊富に含まれている。例えば僕の読んだ本の中には場面が海ならば「ザッぶ〜〜〜ん」や、「ザザザザザザ・・・」といったものが数多く出現し、出てくる場面で雨が降っていれば「ザッーーー」とか「しとしと」などといろいろな擬態語が出てきた。そういったものはだいたいはその場面に切り替わった時の最初に出てくるが、このようにオノマトペによってその場の状態や状況が分かるのだ。さらに海、雨の場合のそれぞれの前者は激しい様子、後者はおだやかな様子が感じられるだろう。このように表現を発見し、考えることによって擬態語、擬声語を身につけ、楽しむことができるようになる。
 第二の方法は、実際に自分も使ってみようと試みることである。作文を書くときに使ってみるのも良いし、短歌や俳句を作る時に使用してみるのも良い。また文章に表さなくてもいろいろな風景や状態を言葉にしてみたり、頭の中で想像したりすることも良いだろう。いろいろ実践してみることによりオノマトペの輪が広がり、自分自身も慣れ、擬声語擬態語の美点に気付くことができるのだ。そうすればオノマトペオタクになり(笑)、表現豊かに生きていくことができるだろう。そして音楽を聞いたり、絵画を鑑賞するのと同じ感覚でオノマトペの表現をより一層楽しみ、巧に使いこなせるようになるのだ。
 確かに抽象性のある具体的な言葉のほうが、事柄をより正確に誰にでも説明することができるだろう。しかし「芸は身を助ける」という言葉もあるように、一番良いのは擬態語擬声語を楽しく使い、表現豊かな人になることだ。そうすれば日本人同士での会話の中で雲行きが怪しくなった時に、潤滑的な機能を働かせてくれる。また、周りの人からも好かれ、言葉を使うことが楽しくなるだろう。だから僕は、擬態語擬声語に代表されるような豊かな表現を大切にして生きていきたい。

   講評   huzi

 オノマトペオタク。面白い! ゆらゆら、コチコチ、モワーッ(クンクン)、パタパタ。これが今の私の状態です。わかるかな……わからないよね(笑)。オノマトペは、具体性のある言葉と併用して使うと、よりその効果を発揮しそう。
  遊び心のある意見文ですね。「豊かな表現力を大切にして【生きたい】」という主題を柔軟に考えこなすことができています。
  本を読んでオノマトペに触れ、実際の場面で使ってみる。オノマトペという表現技法に限らず、伝達のための言葉というものは自分から生み出すことはできないのですから、まずは他から仕入れなければなりません。そしてよさがわかるのは実際に使ってみたとき。「うまく伝わったな」「ウケた」と感じることが、「豊かな表現力」の実現なのですね。
 これらのことを、身近な【体験実例】を駆使してうまく説明できています。読んでいくうちに引き込まれる、サービス精神たっぷりの体験だね。
 【名言】に、「芸は身を助ける」を持ってきたのがユニーク。オノマトペが上手に使いこなせること=芸。確かにそうだね。具体的な言葉を知らない幼児は、オノマトペの達人だといえそう。

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